レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、自信を見せながらも慎重なコメントのなかで、2024年型マシン『RB20』の開発目標を達成しつつあることを明かしたが、前マシンの驚異的な成功を考えると、新しいRB20は「高い期待に応えなければならない」ことを認めている。

 2022年にF1にグラウンドエフェクトレギュレーションが導入されて以来、レッドブルはどのチームよりもずば抜けており、この2シーズンは連続でコンストラクターズ選手権とドライバーズ選手権のタイトルを大差をつけて獲得した。2023年シーズンにおけるレッドブルの敗北は、22戦のなかでシンガポールGPでフェラーリとカルロス・サインツに味わわされた1回だけであり、レッドブルの技術的な優位性とマックス・フェルスタッペンの輝きが相まって、ライバルを打ち負かすことができた。

 レッドブルのライバルたちは、現世界チャンピオンとのギャップを埋めるためにたゆまぬ努力をしている一方で、F1のルールブックが安定しているが故にレッドブルがまたしても強さを示す状況に備えている。だがホーナーは、レッドブルがRB19の「あらゆる側面」の改良に取り組んでおり、パフォーマンスをさらに向上させ、競争力を維持することを目指していると認めた。初期の開発評価とシミュレーター作業は肯定的だが、ホーナーはF1の予測不可能性に留意し、慎重にシーズンに臨むことを好んでいる。

『Planet F1』から、RB20の新デザインはレッドブルが最初に設定した目標を満たしているのかと尋ねられたホーナーは、次のように答えた。

「目標としては、そうだと言える」

「最近はプレシーズンテストの日数がそれほどないので、集中してやらなければならないことがたくさんある。それでも今はシーズンを前にした計画段階にあるファクトリーが常に忙しい時期だ」

「道のりには常に課題があるが、限界に達していないのならば、努力が足りないということだ」

 レッドブルのシミュレータードライバーであるジェイク・デニスは、RB20について非常にポジティブなフィードバックを早い段階で提供し、レッドブルのライバルに警告を発した。しかし、ホーナーは、フルスケールのサーキットテストでなければ、新車の真のポテンシャルは明らかにならないと語る。

「(シムドライバーたちは)革命ではなく進化だと言っている。これはシミュレーターであり、まだ仮想世界の話だ」とホーナーは説明した。

「もちろん、コースとシミュレーターの間には相関関係が必要だが、ここ数年は妥当な傾向にある」

「我々は進歩していると期待している。しかしストップウォッチは決して嘘をつかないし、コースに着いて初めて状況が分かる」

 フェルスタッペンとレッドブルのチーフテクニカルオフィサーであるエイドリアン・ニューウェイは、昨年のマシンのいくつかの側面についてより注意を払う必要があると語っていたが、ホーナーはいくつかの弱点が適切に精査されたことを確認した。

「RB19はF1史上最も成功したマシンなので、(RB20には)過大な期待が寄せられている」

「しかしこのビジネスでは、常に学ぶことがある。RB19にはまだ改善の余地がある要素があり、チームはその部分に懸命な取り組みを行い、冬の間の設計段階で対処した」

 だが進歩の点では、ホーナーはレッドブルが新しいマシンからどれだけのものを引き出す可能性があるか予測することに、いつもながら消極的だった。

「数値化することは不可能だと思う。コースに行ったら見ることにしよう。誰かが大きく伸びて、我々がそこからコンマ3秒遅れていたら、すべては無意味になる。この時期はすべてが主観的だ」

「今年は誰もが我々を倒すことに集中していると思う。そうならないわけがあるだろうか?」

「我々は自分たちのことしか考えられない。ファクトリーは今、記録的な数のイベントやレースが開催される重要な年に向けて準備を進めており、非常に多忙だ」