レーシング・ブルズ/RB(元アルファタウリ)は、新体制で2024年F1シーズンに臨む。新たにチームに加入した経験豊富なメンバーは 明らかに高給を用意すべきビッグネームであり、そこから読み取れるのは、レッドブルは、姉妹チームが技術面で独自のアイデンティティを有していると強調したいのではないかということだ。

 昨年、新CEOにピーター・バイエルが就任。その後、チーム代表としてローレン・メキースがフェラーリから移籍した。1月末に行われた人事の発表では、ティム・ゴスがチーフテクニカルオフィサーとなり、テクニカルディレクターのジョディ・エギントンを支える副テクニカルディレクターにギヨーム・カッテラーニ、アルピーヌからベテランのアラン・パーメインがレーシングディレクターとしてチームに加わることが明らかにされた。

 そうそうたるメンバーであるだけに、もはやレーシング・ブルズはレッドブル・レーシングから完全に独立したチームのようにみえる。ティム・ゴスは長年マクラーレンで技術部門をリードした人物であり、レッドブルのチーフテクニカルオフィサー、エイドリアン・ニューウェイが選ぶ方向性に100パーセント従うとは考えづらい。それはパーメインにも当てはまる。

 レーシング・ブルズはレッドブル・レーシングから技術的に独立していると強調する意向が見える人事だが、実際にはレーシング・ブルズの技術作業のかなりの部分が、レッドブルのファクトリーのそばで行われ、今年以降のマシンには、テクニカルレギュレーションが許す範囲で最大限、レッドブルのシャシーのパーツが使用される。


 レッドブル社の2チームの協力関係については、マクラーレンなど他チームが厳しい目を向け、全く同じメカニカルおよび空力プラットフォームを使用してどの程度の作業が行われるのかについて質問が投げかけられている。それは、レッドブルが空力テスト制限において、非常に有利な立場に立てる可能性があるからだ。現在のレギュレーションでは、コンストラクターズランキングに応じて空力開発の制限が課される。レッドブル・レーシングは昨年タイトルを獲得、レーシング・ブルズ/アルファタウリは、コンストラクターズ選手権8位だった。しかし2チームが緊密な協力関係を結ぶことにより、レッドブルは実質的には風洞とCFDを、本来よりも多く使える可能性があると、ライバルたちは懸念している。それが可能になれば、他のチームがレッドブルの開発ペースに追いつくことは不可能になるだろう。

 今回、レーシング・ブルズは、高額のサラリーを要するビッグネームを何人も起用した。レッドブル・レーシングとのつながりは深いものの、レギュレーションで科された制限を守りつつ、完全に独立したチームとして活動していると主張しているようにみえる。だが、ライバルたちの懸念はすでに高まっており、バーレーンテストに2チームが非常に似たマシンを持ち込んできた場合、マクラーレン、フェラーリ、メルセデス、アストンマーティンがどういう行動に出るか興味深い。