2024年F1シーズンに向けて、各チームが新車発表会を行う時期を迎えた。プレシーズンテスト前のため、ニューマシンのカラーリング披露にとどまる場合もあるが、発表会において明かされる事実、首脳陣のビジョンなどから、見えてくるものは多い。この連載では、各チームの2024年発表会で披露されたニューマシンとチーム体制等についてまとめる。今回はウイリアムズとその新車『FW46』を特集する。

──────────────────────

 2月5日に、アメリカ・ニューヨークで新車『FW46』のカラーリングを発表したウイリアムズ。その発表会でチーム代表のジェームズ・ボウルズは2024年を「新たな歴史を刻む年にしたい」と語った。

 その目標を実現するためにポイントとなるのが、マシンの開発であることは言うまでもない。昨年、コンストラクターズ選手権で7位を獲得したものの、6位のアルピーヌとは92点もの差があり、さらなる浮上を果たすには抜本的な改革が必要だ。アレクサンダー・アルボンも「マシンのコンセプトを変えるために開発陣に多くのことを要求した」と語っている。

 ウイリアムズのマシンコンセプトは空力効率が高くストレートスピードが速いことだ。しかし、その反面、低速コーナーに弱点を抱えていた。2024年の新車『FW46』でその悪癖がどこまで改善されているのかが注目される。

 開幕時点でその問題が解決されていなかった場合でも、シーズン中にパフォーマンスを向上させる可能性がないわけではない。というのも、ウイリアムズは昨年7月末にアルピーヌを離脱したパット・フライを獲得し、11月から彼がチーフテクニカルオフィサーとして、開発の指揮を執っているからだ。

 新車の開発は11月には終わりかけているので、『FW46』にはフライのフィロソフィはほとんど反映されていない。だが、シーズン中のアップデートはフライがリードすることになる。

 マシンのコンセプト変更に伴って、もうひとつ気になるのはドライバーの適応能力だ。アルボンはこう語る。
「マシンのフィロソフィが変われば、ドライビングスタイルの調整が必要になるだろう」

 アルボンは2019年にトロロッソからデビューし、その年の半ばにレッドブルに移籍。2020年末まで1年半にわたり、マックス・フェルスタッペンのチームメイトを務め、レッドブルのマシンのドライビングに苦しんだ経験がある。また今年2年目のローガン・サージェントも、FIA F2からステップアップした昨年、F1マシンを手懐けることに苦労した。

 マシンが速くなればなるほど特性はピーキーになり、ドライバーに求められる要求値は高くなる。マシンの出来だけでなく、ドライバーの順応性にも注目したい。