2月6〜8日、2024年MotoGPのセパン公式テストがマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。ヤマハからはモンスターエナジー・ヤマハMotoGPからファビオ・クアルタラロ、アレックス・リンス、ヤマハ・ファクトリー・レーシングからカル・クラッチローと3名のライダーが参加し、テストを行っていた。

 2024年シーズンはコンセッションシステムにより、対象のヤマハとホンダは無制限のテストが認められたライダーも走ることができる。そのため、クアルタラロとリンスも同地で1〜3日に行われたシェイクダウンテストの2日目から参加し、クラッチローと合流してテストを遂行した。

 シェイクダウンテストでは、クアルタラロとリンスは2023年型のマシンを2台、2024年仕様のマシン1台をテスト。テストライダーのカル・クラッチローはロングエキゾーストと新しいエアロパーツを試していたようだ。そのシェイクダウンでの情報も基に、ヤマハ勢は引き続きレギュラーライダーたちも交えたセパン公式テストに挑んだ。

 すでにお披露目されたカラーリングを施した24年型ヤマハYZR-M1を登場させ、初日から電子制御システム、空力と新型エンジンの微調整、リヤウイングなどのテストを継続。クアルタラロはテストをこなしながら初日は3番手に食い込む走りを見せ、2日目にはトップスピード338.5km/hをマーク。

「バイクは非常に速く、トップスピードではトップに立っているが、特にリヤグリップに関しては解決策を見つける必要がある」と語っていたクアルタラロ。最終的にはニューエンジンやエアロパーツ、ローンチコントロールデバイスなどに手応えをつかみ、決勝用セッティングで好調なペースを披露。3日間で155周を走破し、1分57秒525まで自己ベストを縮めることに成功させたが、次回のカタールテストに向けてまだ改善の余地は十分にありそうだ。

 一方、今季から新加入したリンスは、前回のバレンシア公式テストに引き続きヤマハYZR-M1への適応を進めていた。1日目はユーズドタイヤで多くの周回を重ね、さらに2日目にはマシンのセットアップを煮詰めながら、マシンに慣れつつ徐々にタイムを更新していた。

「YZR-M1についてより深く理解することができたから、自分のライディングスタイルに合わせたより良いセットアップを見つけることができたよ。ファビオがバレンシアでテストして持ち込んだエンジンの改良版はとてもよく機能している」とリンス。

 リンスは3日間で計148ラップをこなし、最終日には自己ベストを1分57秒879に更新。初日から0.837秒縮めており、テストを並行しながらも理解度を深められたようで、YZR-M1への適応の早さを示した。このあとチームはヨーロッパへ、エンジニアらは日本に戻りテストデータの分析を行うという。

 すでにカラーリングは発表されているが、この後ヤマハ勢はどのようなアップデートを加えてくるだろうか。次回は開幕前最後のテストとなるカタール公式テストが、2月19〜20日に開催される。

■ファビオ・クアルタラロ(総合11番手)
「まだ1ラップのペースを改善する必要があるから、一歩前進できることを願っているよ。これは基本的に、次のテストと序盤戦における課題になるだろう。2024年型エンジンはより優れているし、空力も優れているけれど、電子制御グリップが欠けているんだ」

「でも一歩ずつトップに近づいていけると思う。僕の目標は予選で1列目から2列目、悪くても3列目に並ぶことだ。なぜなら、自分のペースがかなり速いことを知っているからね」

■アレックス・リンス(総合16番手)
「これまでのところ、いいテストができているのでとても満足しているよ。バイクの構成を改善するという点で、僕たちはまだセットアップに取り組んでいる最中なのは事実だ。ブレーキングで少し苦労して、リヤタイヤが少し浮いてしまい、その部分で少しタイムをロスしている」

「この5日間のテストでは、アイテムをテストすることに集中していて、セットアップにはそれほど注意を払っていなかった。でもとにかく、この仕事ぶりにはかなり満足している。多くのデータを収集できたので、この調子で継続して改善できるかどうかみていくことにするよ」

■マッシモ・メレガリ(チームディレクター)
「たくさんの重要なデータを収集することができた。今回、最も力を入れたのはエンジンとエアロパーツで、その他に新しいローンチコントロールシステムも導入した。これらのアイテムはクラッチロー、クアルタラロ、リンスの全員が承認しています。これはとてもいいサインと言え、冬休み中の仕事が正しく行われたことを意味していると思う」

「トップとの間には依然として差があるが、開幕までもう少し時間があるので、どんどん縮めていく。一方で決勝用セッティングについては改善が見られ、速さが増している。エアロパーツもコーナリングで効果が出ているし、ローンチコントロールシステムによりウイリーが軽減され、加速力が上がっている。現時点で課題をひとつ挙げるとすれば、間違いなく予選。それが次の目標だ」