2月14日、FIM世界耐久選手権(EWC)に参戦しているヨシムラSERT Motulは、2024年シーズンにおける4名のライダーラインアップを発表した。

 ヨシムラSERT Motulは、今年70周年を迎える日本の名門『ヨシムラ』とフランスの『SERT(Suzuki Endurance Racing Team)』による合同チーム。主にヨシムラは鈴鹿8耐、SERTはEWCで活動していたが、2021年からは『ヨシムラSERT Motul』としてEWCにフル参戦している。

 スズキのファクトリーチームとして立ち上げられた初年度は、2020年までSERTで戦っていたグレッグ・ブラック、チャビエル・シメオンを継続起用。スズキのテストライダーだったシルバン・ギュントーリを新たに擁して、渡辺一樹は開発ライダー&第4ライダーとして帯同させて、見事チャンピオンに輝いた。

 2022年もライダーラインアップの変更はなかったが、シメオンが第4戦ボルドール24時間の前に引退を発表し、第4ライダーとしてクリスチャン・イドンがエントリー。また、渡辺は鈴鹿8耐とボルドール24時間でレギュラーライダーとして戦い、ランキング2位を獲得した。

 スズキのワークス参戦は2022年シーズンをもって終了したが、2023年はスズキの支援を受ける形で引き続き参戦。シメオンの引退、ヨシムラジャパンと渡辺との契約終了により、ブラック、ギュントーリ、2020年までSERTに所属していたエティエンヌ・マッソンを起用した。

 また、第4戦ボルドール24時間には渥美心が第4ライダーとして出場。このラウンドでは優勝を果たし、チームはランキング2位を獲得した。さらに渥美は全日本ロード最終戦鈴鹿ではヨシムラスズキライドウィンからスポット参戦も経験した。

 2024年はギュントーリがBMWに移籍したことにより、ラインアップが変更。ブラック、マッソンが継続、ブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)ライダーで、昨年は鈴鹿8耐に参戦したダン・リンフットが新たに起用され、渥美も開発兼第4ライダーとしてチームに所属する。また、チームディレクターの加藤陽平氏とチームマネージャーのダミアン・ソルニエ氏が指揮を執り、マシンはスズキGSX-R1000R、ブリヂストンタイヤを履くことに変わりはない。

■加藤陽平(チームディレクター)
「我々Yoshimura SERT Motulは、昨シーズン最終戦ボルドール24時間耐久レースの勝利で自信を取り戻し、2024年シーズンが開幕する事を今か今かと心待ちしています。今年は昨シーズン活躍したGregg Black選手、Etienne Masson選手に加え新しくDan Linfoot選手を迎える事となりました。彼は昨年の鈴鹿8時間耐久レースで素晴らしいパフォーマンスを発揮し、また24時間耐久レースの経験も豊富であり、我々のチームに完全にフィットとするライダーです。また、開発兼第4ライダーには日本から渥美心選手を起用し、万全の体制で今シーズンに臨みます」

「また、ヨシムラを中心としたテクニカルチームは、ライダー達に速く、強く、快適なマシンを提供するべくマシンの改善を進めています。そのヨシムラチューンのスズキGSX-R1000Rを駆るYoshimura SERT Motulのライダー達が昨シーズン以上のパフォーマンスをお見せする事が出来ると信じています。世界耐久選手権、特に24時間レースは完走すること自体が非常に難しいレースです。そこにはSERTのメンバーを始め多くのチームスタッフやチームを支援するパートナーの努力が存在しており、それらが報われる様に我々は精一杯の努力を続けています」

「EWCに参戦するライバルチームと共に良いレースで戦い盛り上げ、そして最後にはチームの仲間とファンの皆さんを大満足させるシーズンとすべく全力頑張っていきますので、応援宜しくお願い致します」

■ダミアン・ソルニエ(チームマネージャー)
「2023年シーズンの開幕戦ル・マン24時間は、残念ながらチームにとって良いスタートにならず、想定より難しいシーズンとなってしまいましたが、最終戦のボルドールを見事な勝利で締めくくることができました。この素晴らしい勝利を勝ち取ったチームと関係者全員の努力を誇りに思っています。この選手権2位の称号は、スポンサーの皆様との間に結ばれている信頼を見事に証明するものであり、長年にわたって私たちをサポートしてくれている皆様の存在なしでは不可能でした」

「新シーズンを迎えるにあたり、勝利への意欲でモチベーションが高まっています。今年はライダーと技術陣の両方に変更が加えられましたが、まずライダーは3つの国籍から混成されるチームになります。イギリス人ライダーのDan Linfoot選手はGregg Black選手、Etienne Masson選手と共に戦います。我々はオールラウンドなライダーを探していましたが、Danはすでに世界耐久戦のサーキットを熟知しており、耐久レースの経験もあり、信頼のある走りや、チームに溶け込む人柄に疑問の余地はないです。そして日本人の渥美心選手はリザーブライダー兼開発ライダーとしてチームに加入し、我々をサポートします。このチームで4月にル・マン・サーキットで開催される第1戦で皆さんにお会いするのが今から待ち遠しいです」

■グレッグ・ブラック
「2024年シーズンもYoshimura SERT Motulと共に迎えられることをとても嬉しく、またこの素晴らしいチームの一員でいられることを誇りに思っています。昨シーズンは、最終戦ボルドール24時間レースでパフォーマンスを発揮し、チームは見事な勝利を収める事ができました。あのレースでチームのパフォーマンスを再確認したので、今年はもっと沢山の勝利を狙っていきます。また勝利だけではなく今年はもう一度タイトル獲得を目指すために、自分の経験とスピードを活かして戦っていきます。それを叶えるためにオフシーズンはハードなトレーニングを積んできて、身体の準備もできているので、今は1日も早くサーキットに戻ってチームのみんなと一緒に走りたいです」

「今年は新しいチームメイトとしてダン・リンフットを迎えますが、チーム全体もライダーも世界耐久戦で多くの経験があるので、それが成功の鍵になると確信しています! スズキを始めとする全てのパートナーからのサポート、そしてファンの皆さんからの応援に感謝し、私たちは100%出し切ります!」

■エティエンヌ・マッソン
「Yoshimura SERT Motulは高いパフォーマンスと長い経験のある世界耐久選手権のベストチームで、今年も信頼できる彼らと参戦できる事にワクワクしています。昨年は各レースでポテンシャルを発揮しつつも不運が多く、少しフラストレーションの溜まるシーズンになってしまいました。特にシーズン前半は表彰台圏内のペースで走る事ができたのにも関わらず、予期せぬトラブルや小さなミスによって、想定から大きく外れてしまいました」

「最終戦ではようやく力を発揮でき、ボルドールで勝つ事ができましたが、あの結果は私に勝利の喜びを思い出させる感慨深いレースとなりました。新しいシーズンに向けて、これほどモチベーションが上がったことはないですし、シーズン開幕をとても楽しみにしています。チームメイトのグレッグは長年の仲間というだけでなく親友でもありますし、ダンは新規加入ですが世界耐久での経験もあり安心です。チームの強い闘志で、表彰台のトップを目指していけると確信しています」

■ダン・リンフット
「2024年の世界耐久選手権をYoshimura SERT Motulから参戦できることになり大変嬉しく思っています。過去数シーズンを通して24時間耐久を含む何戦かの世界耐久選手権や、鈴鹿8耐ではスズキチームからチームと同じベースのGSX-R1000Rとブリヂストンというパッケージでレースをする機会も得られました。戦略性の高い耐久レースに以前より魅力を感じており、この様な機会を望んでいましたので、参戦発表をとても嬉しく思っています」

「彼らの歴史とルーツがそれを物語っていますが、このチームに加わることはとても特別なことと感じています。チームが目指すものは勝利とEWCタイトルのみであり、それができると心から信じています。Yoshimura SERT Motulとスズキを代表することになり、とてもやる気と誇りを感じ、また経験豊富なチームメイトとともに、目標を達成できると確信しているので、シーズンインに向けてのテストや開幕が待ち遠しいです」

■渥美心
「Yoshimura SERT Motulのライダーとして今シーズンのレースに参戦できることになり大変嬉しく思います。自分が世界耐久選手権でのチャレンジを始めてから複数のチームでたくさんの経験をさせていただいたお陰で、昨シーズンの最終戦Bol d’OrではYoshimura SERT Motulのリザーブライダーとしてチームに加入する事ができました。その後、全日本ロードレースへのスポット参戦やテストの機会も得られ、それらの経験からチームのGSX-R1000Rやタイヤに対する理解が進み、チームワークも深まってきております」

「今シーズンは経験豊富なチームと強力な3人のチームメイトから様々なことを学び、レーシングライダーとして大きく成長するシーズンにしたいと思っていますし、日本側でのテストを通しより良いマシン開発に貢献したいと思っています。チームがEWC戦の各レースで優勝、そしてチャンピオンを獲得できる様、リザーブライダーとしての仕事に全力を尽くしますので、応援よろしくお願いいたします」