2024年はVertex Partners CERUMO・INGINGに移籍して全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦する大湯都史樹。メーカーを跨いでの移籍だったということもあり、シーズンオフも注目を集めた。

 すでに2023年12月の合同テストでは同チームから参加しているが、このシーズンオフの間に新天地にもかなり慣れてきている様子だ。

 2月15日に都内で行われたスーパーフォーミュラのプレスカンファレンスに出席した大湯は、終了後の囲み取材でシーズンオフの近況などを語った。

■立川祐路監督を中心に作られる“雰囲気”

「SFもスーパーGTも同じで監督に立川さんがいてくれるおかげで、チームに馴染むスピードもすごく早いですし、和気藹々と一緒にやれているなという印象です」と大湯。しばしば立川監督のXにも大湯が登場するが「すごく唐突にSNSで上げる動画とか撮られるので『あの、こっち準備できてないです』という感じなんです」とエピソードを披露した。

 とはいえ、立川監督をはじめチームの雰囲気は良いようで「セルモはチームとしても長いですし、何年もセルモで戦っているドライバーが多い中で僕が新しく入ってきましたが、それに対して温かく迎え入れようとしてくれています。立川さんを筆頭に雰囲気作りをしてくれていて、僕としてはすごくありがたい環境だなと思っています」と大湯は笑顔をみせた。

 昨年末のテストで初めてトヨタエンジン搭載のスーパーフォーミュラ車両をドライブした大湯は「クルマの方で言うと、トヨタ系列のクルマ作りとホンダ系列でのクルマ作り、あとはエンジニアリングの部分でもけっこう違うなという印象を持っています。エンジンも違うので、特性の違いもあります」とさまざまな発見があった様子。

「『トヨタ勢は、これだから決勝ペースで良かったんだ』という発見だったり、逆に『ホンダ勢はこれだから予選一発が良かったのか』とか『こういうコンディションだったら良かった』という発見を自分の蓄えにして勉強になっているという感じですね」

 何より印象的だったのは、シーズン途中で参戦継続ができなくなってしまった昨年とは違い、取材中も笑顔やコメントが多いというところ。

「(心境は)だいぶ違いますね。昨年に関しては、開幕前も張り詰めていたのですけど、(シーズン中も)ずっと張り詰めていた感じでした。今年は逆に言うと気を張らずに自分らしさを出していける1年になっていくんじゃないなと思っています。現時点でもオフシーズンを有意義に過ごせているかなと思っています」

■プルシェールと岩佐に感じる『堅実さ』

 2024年は前年王者の宮田莉朋が不在、さらに移籍ドライバーも多いということで新たな勢力図が見られそうなシーズンとなっている。その中でも注目なのが、昨年のFIA F2チャンピオンであるテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と、同シリーズ4位の岩佐歩夢(TEAM MUGEN)だ。ふたりとも昨年末のテストでは上位陣と遜色ないタイムを記録し、岩佐は初日にトップから0.327秒差の7番手、プルシェールも2日目にトップから0.290秒差の6番手につけた。

 注目のルーキーふたりの走りに「あれくらいのタイムは出してくるだろうなというイメージは自分のなかでも持っていました」と大湯。

「岩佐選手はものすごく勤勉なので、これかも徐々に上がってくるのかなと思いますけど、あそこから0.1秒どころか0.01秒を詰めていく作業になっていくので、そこは腕の見せどころかなと思います。あとプルシェール選手も、すごく着実に進めているなと感じました。特にいまの海外から来るルーキー勢は、最初のテストからの進め方が、堅実だなという印象です」

 それでも大湯は「ここからどこまで来るかは未知数ですけど……負ける気はしないです!」とキッパリ。2月21〜22日に鈴鹿サーキットで行われる公式合同テストに向けても「昨年末のテストを経て、冬の間でチームといろいろ話し合って準備してきたものがあるので、テストが楽しみですね」と自信をみせていた。