2月19日、ホンダ・レーシング(HRC)は佐藤琢磨とアドバイザリー契約を締結し、ホンダとHRCの四輪レース活動全般における助言とサポートを行う『エグゼクティブアドバイザー』に就任したことを発表した。あわせてHRC渡辺康治代表取締役社長と琢磨が出席するオンライン会見が行われ、両者が就任への想いを語っている。

 琢磨は2002年に日本人7人目のF1フル参戦ドライバーとしてジョーダン・ホンダからF1デビューを果たし、その後はBARホンダとスーパーアグリでF1を戦った。2010年からはインディカー・シリーズで活躍し、2017年と2020年のインディ500優勝をはじめとする通算6勝を挙げ、2024年はレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)で三度目のインディ500制覇を目指す。

 そんな琢磨が新たに挑戦するのは、HRCのエグゼクティブアドバイザーという役職。現在はホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS鈴鹿/旧SRS)のプリンシパルを務める琢磨だが、今回のエグゼクティブアドバイザーは、HRC四輪モータースポーツのさらなる発展を狙うために設立されたものだ。

 琢磨は今後、HRSのプリンシパルに加え、HRCのエグゼクティブアドバイザーとして、国内外のドライバー育成戦略やプログラムの策定、そしてHRCのレース参戦計画や体制など、四輪レース活動全体の助言とサポートを行っていく。また、将来HRCブランドで商品を展開する際には、レーシングドライバーの経験と知見を活かして開発を手伝っていくという。

 かつてのスクール時代からホンダとの関わりが深い琢磨は、発表に先立って行われたオンライン会見で「自分がこのようなポジションに就かせていただけることは大変驚いています」とエグゼクティブアドバイザー就任への想いを語った。

「僕はいまだに自分なりに挑戦を続け、かつて鈴鹿で貰った夢を追いかけています。そのエネルギーを本当に多く皆さまがバックアップしてくれたことで、僕はプロとしてこれまで第一線で活動しています。今季2024年のインディ500には、ひとりのレーシングドライバーとして可能な限り挑戦を続けていきたいという思いで参戦します」

「その一方で、2019年からプリンシパルに就任させていただいているホンダ・レーシングスクール・鈴鹿では、若手ドライバーと、これからのホンダ・レーシングの未来に関して考えるようになりました。その育成に携わる一方、これまでのレース経験をHRCの四輪レース活動強化につなげるという想いに共感していただきました」

「自分のこれまでの経験を存分に活かし、最大限のサポートを行い、HRCの四輪モータースポーツ活動強化を100パーセントの力でお手伝いをさせていただきたいと思います。自分としては初めての経験ですし、ホンダとHRCでは新しいポジションになるので手探り状態から始まっていきますが、ご声援よろしくお願いいたします」

 また、オンライン会見に出席したHRCの渡辺社長は「琢磨さんが“No Attack No Chance”と掲げているように、常に夢を持ち、挑戦し続ける姿は、HRCの活動との共通点であり、大変重要な点であると考えています。そういった観点では、琢磨さんはHRCの四輪レース活動の強化に欠かせない存在です」と琢磨エグゼクティブアドバイザーへの期待を語った。

「琢磨さんには、これまでもHRSのプリンシパルとして若手ドライバーの育成に大きく貢献していただいておりました。今後はHRCエグゼクティブアドバイザーとして、さらに活動の幅を広げ、ホンダのモータースポーツ活動を多角的にサポートしていただけることを心強く思います」

「また、琢磨さんの魅力は、そのドライビングスキルだけでなく『勝利を目指しチャレンジし続ける強い信念』にあると思います。今年もインディ500に果敢に挑戦する姿を称え、3回目のインディ500勝利という金字塔を打ち立ててくれることを心より願い、ファンの皆さまとともに精一杯応援したいです」

 現役レーシングドライバーとして活躍する一方で、HRS鈴鹿のプリンシパルとして若手ドライバーの育成にも携わる琢磨。今回のエグゼクティブアドバイザーという新たな挑戦が、琢磨自身、そして若手レーシングドライバーの新たな未来を切り開く先駆けになるかもしれない。