ニック・デ・フリースは、短期間で終わったF1のレギュラードライバー生活を経て、WEC世界耐久選手権に参戦するトヨタGAZOO Racingへ加入することを、「有機的で明白な」進歩だと説明した。

 2020年から2022年までトヨタのWECリザーブドライバーを務めていたデ・フリース。2024年シーズンに向けては、ホセ・マリア・ロペスと入れ替わりにフルシーズンドライバー6名に選出され、マイク・コンウェイ、小林可夢偉とともに7号車GR010ハイブリッドをドライブする。

 デ・フリースは2023年、F1世界選手権にアルファタウリから参戦したが、10レースを終えたところで突然ダニエル・リカルドと交代させられ、F1での活動を終えていた。

 カタールでのWECのプロローグテストとシーズン開幕戦に先立ちSportscar365のインタビューに応じたデ・フリースは、F1に参戦している間もトヨタGAZOO Racing・ヨーロッパとは緊密に連絡を取り合っていたことを明らかにし、チームとの再会は「短い工程」だったと表現した。

「チームに戻れてよかった」と彼は語った。

「知っている場所に帰ってきたような気分だ。 2019年の最初のテスト以来、そして2020年に(リザーブドライバーとして)加わって以来、僕らは常に非常に良い関係を築いてきた」

「僕らは本当に良い位置にいたし、僕がF1に行ったときも良い関係だったんだ。そしてその時期でさえ、僕はまだチームと連絡を取り合っていた。チームに戻ることは本当に簡単だった。それは有機的で明白な進歩だ」

「また、WECはトップクラスに素晴らしいエントリーが存在するエキサイティングな時代だ。過去10年間、このクラスのトップに君臨し続けているトヨタとともにその一員になれることは光栄だ」

 29歳のデ・フリースは、トヨタの7号車の最年少ドライバーであり、小林より8歳年下、コンウェイより11歳年下となる。

 キャリア初期の可夢偉とコンウェイを見てきたデ・フリースは、ロペスに代わってラインナップに加わることで何か新しい貢献ができることを期待しながら、彼らの話を聞くことは楽しかったと語っている。

「彼らはふたりとも耐久レースやル・マンで多くの功績を残した偉大なドライバーだ」とデ・フリースはコンウェイと可夢偉について語った。

「僕は個人的に、50年前ではなく、僕が加わる直前の、このスポーツの歴史を楽しんでいる。F1で可夢偉を見て、マイクがインディカーにいたときに、記事を読んだことを覚えている。こういうことについて話すのは楽しいね」

「僕の女きょうだいは可夢偉の大ファンで、彼のTシャツを着ていたんだ! ふたりがいずれも長い間活動していて、経験を持っているのは、素晴らしいことだ。共有し、学ぶべきことがたくさんある」

 自身が貢献できることについて、デ・フリースは次のように付け加える。

「どの組織にも新鮮な人材が入ってくると、必ず(改善の余地がある)いくつかの領域が浮き彫りになる。 それが普通のことだと思うよ」

 デ・フリースは、F1では競争力を求めて苦戦してきたが、WECの有力チームに加わることができて「とてもうれしい」と語る一方、トヨタがハイパーカークラスの上位に位置するかどうかについては何の保証もないと考えている。

「F1では、特定のマシンに乗っていないと勝てないことは誰もが知っているが、ここではより平等なチャンスがある」とデ・フリース。

「レースの結果を僕らが知っている、というようなことはない。何事も、当然のことだと思うことは決してできない」

「(トヨタが)残してきた数字は素晴らしいが、僕らは自分たちがどこにいるのかを見極める必要がある。それは競争相手と比較することしかできないし、僕らが積み重ねてきたことは知っているけど、ライバルが僕らよりも大きな一歩を踏み出したかどうかは分からないからね」