スーパーバイク世界選手権(SBK)第1戦オーストラリアラウンドがフィリップ・アイランド・サーキットで行われ、レース1はニッコロ・ブレガ(Aruba.It Racing – Ducati)が、スーパーポール・レースとレース2ではアレックス・ロウズ(Kawasaki Racing Team WorldSBK)が優勝した。

 SBKの2024年シーズンが、このオーストラリアラウンドから始まった。今季はトプラク・ラズガットリオグルがヤマハからBMWへ、ジョナサン・レイがカワサキからヤマハへと移籍し、その戦いが気になるところだ。また、2023年までロードレース世界選手権Moto2クラスを戦っていたサム・ロウズ(ELF Marc VDS Racing Team)や、元MotoGPライダーで、ドーピング検査陽性による4年間の出場停止から復帰するアンドレア・イアンノーネ(Team GoEleven)、スーパースポーツ世界選手権(WSS)からステップアップしたブレガなど、活躍が注目されるライダーも多い。

 土曜日のスーパーポールでは、ルーキーのブレガがポールポジションを獲得した。ルーキーがポールポジションを獲得するのは、2009年ベン・スピース以来のことであり、イタリア人ライダーがフィリップ・アイランド・サーキットでポールポジションを獲得するのは、SBK史上初のことだった。

 2番手はイアンノーネ、3番手はアレックス・ロウズが獲得し、ラズガットリオグルは5番手、2023年チャンピオンであるアルバロ・バウティスタ(Aruba.It Racing – Ducati)は9番手、レイは11番手だった。

■レース1:ルーキー、ブレガが優勝
 オーストラリアラウンドはレースウイークに先立ち、再舗装によりアスファルトが新しくなったことでグリップが向上したが、タイヤにとってアグレッシブな路面状態であることから、SBKとWSSの各レースでピットインとタイヤ交換の義務付けが発表された。リヤタイヤはSBKで11周、WSSで10周より多い周回数で使用してはならず、また、SBKは22周から20周に短縮されて行われることになった。

 レース1は気温18度、路面温度35度のドライコンディションで行われた。ホールショットを奪ったのは2番グリッドスタートのイアンノーネ。2番手にはバウティスタ、3番手にアレックス・ロウズ、そして4番手にラズガットリオグルが続く状況である。ブレガはラズガットリオグルの後ろ、5番手に後退していた。

 4周目には、9番手走行中のバウティスタが10コーナーで転倒を喫した。昨年王者が、シーズン開幕戦最初のレースで表彰台争いから脱落する。

 5周目を終えるころ表彰台争いに加わったブレガは、7周目にイアンノーネをかわしてトップに立った。トップに立ったブレガは好ペースでベスト・レース・ラップを刻みながら先頭を快走する。

 レース折り返しの10周が迫ると、次第にピットがあわただしくなっていった。義務付けられているピットインとタイヤ交換のタイミングである。先頭のブレガに続き、ライダーたちはピットインとタイヤ交換を終えてコースに戻っていった。

 ピットインを終えたところでトップは依然としてブレガ。2番手のイアンノーネには4秒のアドバンテージを築いた。3番手はアレックス・ロウズ、4番手はロカテッリ。5番手はラズガットリオグル。その後、ロカテッリが2番手、イアンノーネが3番手に浮上した。

 開幕戦レース1で優勝したのはブレガだった。WSSチャンピオンがSBKの初レースで優勝を飾ったのである。2位はロカテッリが獲得。3位を獲得したのはイアンノーネで、SBK初表彰台を獲得している。

 4位はアレックス・ロウズが入った。5位のラズガットリオグルは、ピットインにかけなければならなかった時間(1分30秒)が1.225秒足りなかったため、レース後に1.225秒のタイムペナルティが科された。

 序盤に転倒したバウティスタは15位、ヤマハでの初レースだったレイは17位で終えた。

■レース2:カワサキのA.ロウズが4年ぶりの勝利
 日曜日に行われたスーパーポール・レースでは、アレックス・ロウズが優勝を飾った。2位はロカテッリ、3位はBMWでの初表彰台となったラズガットリオグルが獲得した。バウティスタは4位、レイは終始後方でのレースとなり、10位だった。

 レース2は気温22度、路面温度36度のドライコンディションでスタートした。スーパーポール・レースの結果により、ポールポジションはアレックス・ロウズ、2番グリッドはロカテッリ、3番グリッドはラズガットリオグルというフロントロウである。

 好スタートを切ったロカテッリがバウティスタをおさえてホールショットを奪った。2番手にバウティスタ、3番手にアレックス・ロウズ、4番手にラズガットリオグルが続く展開となる。しかし、2周目に3番手走行中のラズガットリオグルのマシンが白煙を吹く。ラズガットリオグルはコース外の走行を余儀なくされ、その後、リタイアとなった。

 この状況によって一気に上位の順位が変わり、ロカテッリのトップと2番手のバウティスタはそのままながら、3番手にサム・ロウズ、4番手にイアンノーネが浮上した。

 集団の5番手争いのなかにいたレイは4周目、11コーナーでクラッシュを喫する。このクラッシュにより赤旗が提示されてレースは一時中断となった。レイはメディカルセンターに運ばれ、WorldSBKの情報によれば打撲と擦り傷多数ということである。

 レースは11周で再開され、ピットイン義務はなくなった。再スタート1周目からバウティスタがトップに立ち、2番手にマイケル・ルーベン・リナルディ(Team Motocorsa Racing)、3番手にアレックス・ロウズ、4番手にイアンノーネが続く。

 残り4周でアレックス・ロウズがリナルディをかわして2番手に浮上し、その翌周にはロカテッリが3番手に浮上。リナルディは4番手に後退した。残り2周、2番手に浮上したロウズがバウティスタに迫る。最終ラップにはここにロカテッリが加わり、三つ巴のトップ争いとなった。しかし、4コーナーでロカテッリがハイサイドを喫して転倒。トップ争いから脱落する。

 バウティスタはトップを守っていたが、9コーナーでアレックス・ロウズがアウトからバウティスタを抜き去った。見事なオーバーテイクで、アレックス・ロウズがトップでフィニッシュした。

 レース2はアレックス・ロウズが優勝を飾った。アレックス・ロウズがレース1、あるいはレース2で優勝したのは、2020年オーストラリア レース2以来のことだ。カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKとしても、2023年チェコのレース2でレイが勝利して以来となった。

 2位はバウティスタ、3位は最終ラップでイアンノーネをかわしたダニロ・ペトルッチ(Barni Spark Racing Team)が獲得した。4位はイアンノーネ、5位にはブレガが入っている。

 2024年シーズンのWSSには、3シーズンの電動バイクレースFIM Enel MotoE World Championship参戦からWSSに復帰した大久保光(Vince64 Racing Teasm by Puccetti)、ロードレース世界選手権Moto3クラスから転向の鳥羽海渡(Petronas MIE Honda Racing Team)が参戦する。

 開幕戦となったオーストラリアラウンドは、レース1では大久保、鳥羽ともにクラッシュでリタイア。レース2は鳥羽が21位、大久保が24位だった。