IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で3号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rのステアリングを握るダニエル・ジュンカデラは、3月16日(土)にアメリカ・フロリダ州で開催された第2戦『モービル1・セブリング12時間』のレース終盤、GTDプロクラスの表彰台争いのなかで接触しクラッシュを喫したことについて、同カテゴリーのドライビング・スタンダードを批判した。

 ジュンカデラがアレクサンダー・シムズ、アントニオ・ガルシアとシェアした3号車コルベット(コルベット・レーシング・バイ・プラットミラー・モータースポーツ)は、クラス3番手を走行していたレース終盤に、77号車ポルシェ911 GT3 R(AOレーシング)のラウリン・ハインリッヒと接触。コルベットはトラック上にストップしてしまい最終結果はクラス10位完走扱いに。77号車ポルシェには接触について「非がある」としてペナルティを受け、クラス9番手に後退することとなった。

 レース後、ジュンカデラはジャック・ホークスワース駆る14号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)と、ダニエル・セラが駆る62号車フェラーリ296 GT3(リシ・コンペティツィオーネ)も交えて行われた優勝争いの中でのドライビング・スタンダードを声高に批判した。

「ターン3へのブレーキングで完全に追突されてしまった」とSportscar365に語ったジュンカデラ。

「ポルシェから守るためにイン側でブレーキングしていたんだ。彼は僕のすぐ後ろにいたのに、どうしたんだろうか」

「レース終盤のドライビング・スタンダードは衝撃的だった。暗くなると全車から充分な映像が得られなくなる。僕はレースもバトルも好きだけど、ハードでフェアなレースが好きなんだ」

 ジュンカデラはまた、レース最後のリスタート直後、クラス2番手を争ったホークスワース駆る14号車レクサスに狙いを定めていた。当初は3号車コルベットがRC F GT3をオーバーテイクしていたが、ホークスワースがポジションを奪い返した。

「(ダニエル・)セラの後方2番手にいたとき、14号車が完全に飛び込んできたんだ。右側のダイブプレーン(カナード)はすべて壊れていた。だから終盤、残り2周か3周のところで彼の後ろにいた時、フロント(のグリップ)を失ってしまいペースが落ちたんだ」

「(ホークスワースとのバトルの影響で首位から3番手に下がった)セラと77号車ポルシェからポジションを守ろうとしていたのに、ある時点で彼らは僕を追い払うことにしたんだ。表彰台に上りたかったので少し残念だよ。それでも、コルベットとともに本当にいい経験ができた」

■勝者ホークスワースは「ラインは超えていない」と正当性を主張

 ジュンカデラをパスしたホークスワースは、ターン1でセラの62号車フェラーリを抜き去り、昨季の王者バッサー・サリバンに2024年シーズン初優勝をもたらした。レース後の記者会見で物理的なバトルについて質問されたホークスワースは、コース上で一線を越えたとは思っていないとコメントした。

「それが現実だ。レース終盤はハードな戦いになる。セブリング12時間のためにレースをしているわけだし、結局のところ、僕たちは勝つためにここにいるんだ」

「ラインを超えるようなことはなかったと思う。ラフでハードなレースではあったけどね」

「これがIMSAのレースなんだよ。ハードな戦いだ。擦れ合うのがレースだろう? これが我々の仕事だし、僕たちがトップに立った」

■漁夫の利を得たランボルギーニ

 ジュンカデラ(3号車コルベット)とハインリッヒ(77号車ポルシェ)の接触と、それに続くAOレーシングのペナルティにより、ミルコ・ボルトロッティ、ジョーダン・ペッパー、フランク・ペレラがドライブする19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(アイアン・リンクス)がGTDプロクラスの表彰台の最後の一角に立つこととなった。

 最終スティントでマシンに乗ったボルトロッティは、アグレッシブなレース展開から、終盤にアクシデントが起こることを予想していたと説明した。

「正直なところ、チャンスはゼロだったんだけど、前にいた奴ら、とくにポルシェに乗っている奴のことを知っていたからね。レース中に彼の走りを見ていたので、プレッシャーを掛けようとしだんだ」

「だから、コース上で彼らと戦うチャンスがなかった僕にできることは、そこに居座って彼にプレッシャーを掛け、ミスを待つことだけだった。そして実際にそのとおりになった」

「リスタートは正直、混乱していた。非常に荒々しいものだったよ」

「最後のリスタートでは、まるで世界選手権のファイナルラップのように誰もが勝負に出るんだ。だから、クラッシュや接触、デブリが出るなど、さらなるイエロー(・コーション=セーフティカーが出る)の可能性が非常に高くなるんだ」