F1第3戦オーストラリアGPは、レッドブルとホンダ・レーシング(HRC)にとって、いくつもの偶然が重なった奇妙な一戦だった。

 まずひとつ目の偶然は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のリタイアだ。クリスチャン・ホーナー代表によれば、フェルスタッペンのトラブルはブレーキに起因するものだったという。

「レースをスタートさせてすぐにマックスからブレーキに違和感があるという連絡が入った。マックスによれば、ハンドブレーキがかかっているような感じで、2周目からひどくなっていって熱がどんどん高まっていき、ブレーキの効きが悪くなって、(カルロス・)サインツに抜かれ、その後火災が発生した」

 リタイア直後はエンジニアに対して、少し苛立っている様子を見せたフェルスタッペンだが、ミックスゾーンにやってきたころには落ち着きを取り戻し、表情は穏やかだった。そして、こう語った。

「もちろん、レースは常に完走したいものだけど、モータースポーツはメカニカルなスポーツだから、こういうことは残念ながら起こる。でも、なぜそうなったのかを理解することが最も重要だと思う」

 フェルスタッペンがレース中にメカニカルトラブルでリタイアするのは、2022年オーストラリアGP以来のこと。これがひとつ目の偶然だ。

 つまり、2022年のオーストラリアGP以降、フェルスタッペンはじつに43戦も連続で完走していた。今回のリタイアは逆にレッドブルの信頼性の高さをあらためて実感させたトラブルだったと言っていい。

 また今回フェルスタッペンがリタイアし、チームメイトのセルジオ・ペレスが5位に終わったことで、昨年の日本GPから続いていたレッドブル・ホンダRBPTの連勝記録も『9』で止まった。レッドブル・ホンダRBPTの連勝を止めたのは、フェラーリのカルロス・サインツだった。

 レッドブル・ホンダRBPTは昨年も開幕から14連勝していたが、第15戦シンガポールGPで止められた。記録を止めたのは、そのときもサインツだった。これがふたつ目の偶然だ。

 そして、3つ目の偶然は、このふたつの敗戦がいずれも日本GPの直前のグランプリで起きたということだ。連勝が止まった直後に開催された昨年の日本GPは、レッドブル・ホンダRBPTのフェルスタッペンが快勝した。果たして、今年もフェルスタッペンが勝って、4つの偶然となるのか。

 ホーナーはこう言う。

「鈴鹿は素晴らしいサーキットで、私たちはいつも鈴鹿でいいパフォーマンスを見せてきた。ホンダのホームサーキットでもあり、ドライバーたちはいつも鈴鹿へ行くことを楽しみにしている」

 鈴鹿もレッドブルとホンダRBPTが帰ってくることを楽しみにしていることだろう。