3月29日(金)、WRC世界ラリー選手権第3戦『サファリ・ラリー・ケニア』のデイツーが行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。TGR-WRTのレギュラーである日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、首位と1分00秒8差の総合3番手で大会二日目を終えた。

 本格的にラリーが始まる大会二日目は、6本のスペシャルステージ(SS)を行う“フルデイ”となる。この時期のケニアは雨季ということで、天候への不安が各陣営からささやかれていたが、この日は晴れ空に恵まれた。

 現地時間8時15分、気温18度のなかで最初のステージ『ロルディア』がスタート。コースは細かい砂と砂利がまばらに広がるグラベル(未舗装路)で、ステージ前半は登り、後半は下りという特徴のステージとなっており、ポイントランキング首位のティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)を先頭に走行は開始された。

 各ドライバーは走行後のインタビューで下りでのアンダーステアを嘆いていたが、そのなかでロバンペラが首位タイムをマーク。アグレッシブに路面の凹凸を蹴り飛ばしながら、最初のステージを0.9秒リードで走破し、総合首位に浮上した。その後方には、ヒョンデ・シェル・モービスWRTの3台が僅差でつけている。

 続くSS3は、火山地帯の地熱発電所付近を通過する『ジオサーマル』。大きな地割れも走っている大地が舞台のこのステージでは、ところどころにある露出した岩盤層が注意点となっていたが、先頭走者のヌービルがこの餌食となってしまった。

 コーナー出口で右のリヤを強くヒットし、タイヤがパンク。ステージ自体は何とか走り終えたが、終盤にタイヤがバーストしてしまいボディカウルにもダメージが及んでしまった。

 ヒョンデのエースが失速するなか、ここでもロバンペラは好調を維持。1.4秒差で首位タイムを記録しそのリードを広げていく。

 午前中最後のSS4は、30kmを超えるロングステージ『ケドング』だ。滑走路のように長い直線エリアがあり、その途中にはジャンピングスポットもある高速ステージとなる。

 ここでもロバンペラの勢いは衰えず、11.1秒差で他を突き放す快走を披露。公式インタビューでは「かなりプッシュをしたよ、タイムにも満足している。ちょっとペースノートとは違う道を行ったけれど、新しい道で攻めたのが良かったみたいだ」と、アタックを振り返っている。

■勝田とエバンスもペースアップ。トヨタ1-2-3体制へ

 午後は、午前中と同じステージを再走するループステージとなる。総合首位を行くロバンペラは、『ロルディア』の再走となるSS5でも難なくトップタイムをマークして好調さを披露していく。

 そして、午後になって勝田も勢いを増してきた。今朝は路面の凹凸をいなすように走っていた勝田だが、2度目のランではペースが向上。ロバンペラと鼻差の2番手タイムをマークし、チームメイトを追っていく。一方、ヒョンデのエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)は9.8km地点でミッショントラブルを起こしてデイリタイアを喫してしまった。

 この日の残るステージは2本。午前はヌービルを襲った『ジオサーマル』の再走では、チームメイトのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)にアクシデントが起きた。

 総合2位につけていたタナクは、3.2km地点のタイトコーナーにて、イン側にある岩石に当たってマシンは浮遊、そのままアウト側にフロントからヒットしてしまい再走不能となってしまった。


 そんな苦労もつゆ知らず、勢いをさらに増すロバンペラはここでもトップタイムをマーク。チームメイトの勝田とエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)も続き、総合順位でもトヨタがワン・ツー・スリー体制を築き上げた。

 この日最後のSS7は、ロングストレートとジャンプスポットのある『ケドング』の再走ステージだ。雨を何とかとどめている重いくもり空のもとで行われたSS7は、ロバンペラは6ステージ連続の最速タイムをマークし、大会2日目を締めくくった。

 また、午前中にバーストに見舞われたヌービルも、昼間の修理によって無事にペースを取り戻して2番手タイムをマーク。エバンスも3番手タイムで続き、総合順位を2番手にあげている。

 デイツー終了時点での総合首位は、56.9秒リードのロバンペラだ。2番手にはエバンス、3.9差で勝田が総合3番手につける。その6.5秒後方には、追い上げを開始したヌービルが続いた。

 Mスポーツ・フォードWRT勢は、トヨタとヒョンデの2メーカーに対しペースで少し差をつけられる結果となりつつも、堅実な走行が結果に繋がりはじめ、アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)が総合5番手につけている。チームメイトのグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)も、午後の再走ステージではタイムアップを見せ、総合6番手で徐々に勢いを増してきた。

 WRC2クラスは、ガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2)がリードを広げてクラス首位を堅持。追いかけるオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)は、SS3とSS4で続けてタイヤトラブルに見舞われ、クラス3番手に後退してしまった。代わりに2番手には、カエタン・カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2)が浮上した。しかし、カエタノビッチもSS4でパウダー状の砂をシュノーケルから吸い込んでしまいペースダウンしており、WRC2クラスも熾烈なサバイバルを呈している。

 大会初日はヒョンデ勢の好走が目立ったが、気づけばサファリのトヨタここにありと言わんばかりのワン・ツー・スリー体制を築き上げた。ラリーの折り返しとなる大会三日目は、SS8〜13の6本で争われる。最初のSS8は、現地時間30日(土)8時01分(日本時間14時01分)に開始される予定だ。