4月13日に岡山県の岡山国際サーキットで行われた2024年スーパーGT第1戦岡山の公式予選。今季からKeePerブルーにカラーリングを一新し、立川祐路の監督就任、大湯都史樹の加入など、新体制初陣を迎えたTGR TEAM KeePer CERUMOが、名門復活への第一歩となる予選4番手につけた。

 2024年は、チームに長年在籍した立川がスーパーGTドライバーを引退し監督に就任。石浦宏明のパートナーにはホンダから大湯都史樹を迎え、セルブスジャパン出身の岡島慎太郎氏がトラックエンジニアとして加入し、メインスポンサーのKeePerブルーにカラーを一新するなど、大幅な体制刷新で復活を図った。

 それでも、シーズンオフテストではGRスープラ陣営としては36号車au TOM'S GR Supra、14号車ENEOS X PRIME GR Supraに遅れるかたちとなり、その流れは、初日午前に行われた公式練習でもトラブルというかたちで現れてしまう。コースインしたばかりのKeePer CERUMO GR Supraだったが、午前のセッションの大部分をピットガレージで過ごすことになってしまった。

 ドライブしていた石浦は「コースインしたら、ちょっとステアリングのフィーリングがおかしくて、ピットに入って直してもらいました。けど、まだおかしい部分がありました」と振り返る。パワーステアリング関係のトラブルだったというが、原因究明に時間がかかり、終盤に走行することが叶ったものの、納得する結果で終えることできなかった。

「かなりのビハインド状態で、そのときは『今週ヤバい……』と思うくらいの雰囲気でした。ただ、本当にエンジニアのみんながデータに基づいてバンバンとクルマを変えてくれたので、遅れた状況からでも短い時間でクルマを仕上げることができました」と石浦。

 一時は落ち込んだチームだが、その状況で岡島氏率いるエンジニアたちはクルマのセットアップを大幅に変更することを決意。立川監督は「結構いろいろと変えたので、一概に“どの部分”とは言えません」と言い、サスペンションのジオメトリー変更も行ったことを明かす。

 立川監督は「ジオメトリー変更は特別なことではないですけど、予選に向けてはどうなるか分からないですし、もう確認ができませんでした。でもエンジニアたちは朝の走行のデータを見て『やる』と決断しました、この決断は大きなことですけど、エンジニアはしっかりと対処してくれました」とチームを称賛した。

 迎えた午後の予選では、このチームの対応を「スーパーグッジョブ」と評した大湯がQ1を担当して2番手。続くQ2では、石浦がシート横の肩パッドが外れるトラブルを乗り越え、タイミングも影響したが一瞬トップに立つ快走を披露。4番手で予選を終える。

「アタックのタイミングがずれていましたし、今回は同じブリヂストンでも使用しているタイヤが各チームで違います。そういった部分はありましたけど、調子は良かったので、一瞬『いったか!?』とは思いましたね(笑)」と立川監督。

 また、石浦と立川が共通で言っていたのが、エンジニア体制の変更の大きさ。特に岡島エンジニア加入の影響は大きいようで「エンジニアとしては若手だと思いますけど、データ分析などはすごく優秀で、任せられる人です。彼の加入と、彼中心のエンジニアリング体制、このふたつが今のCERUMOにとって大きいです」と褒め称える。

 また、若手エンジニアと組むのは初めてだと言う石浦は、「すごく貪欲で、今回みたいに予選前でもクルマを良くしようという意識が強いですし、データ解析に基づいて改善してくれるので迷いが少ないです。なので、僕たちも安心してクルマを作ることができます」と語る。

 新加入した大湯との年代が近いことから「コミュニケーションが密ができる」こともチームが良い雰囲気になっている要因のひとつだという。立川監督は「戦える位置といいますか、そういったポジションに少しずつ帰ってこれていると思います」とCERUMO復活に向けた意気込みを続ける。

「とにかく“いちばん”から遠ざかっているので、まずは優勝を目標にチームを立て直しています。チームの改革としてはかなり大きなことをやっているので、早く結果に現れていることは自信に繋がります」

 最後には「いちばんを目指して頑張ります」と締めた立川監督。KeePer CERUMOは決勝に自信のあるタイヤを選んでいるとのことで、2019年第2戦富士以来、5年ぶりの優勝を狙って新体制での決勝レースを戦う。