ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのマネージング・ディレクターであるジョナサン・ディウグイドは、WEC世界耐久選手権のライバルであるトヨタとフェラーリが今週末のイモラでのシーズン第2戦で「調子を取り戻す」と予想していると語った。

 ポルシェは3月、開幕戦カタール1812kmレースで圧倒的なパフォーマンスを見せ、ポルシェ963にとってのWEC初勝利を収めた。それだけでなく、カスタマーチームのハーツ・チーム・JOTAも加わって表彰台を独占することにまで成功している。

 対照的に、王者トヨタGR010ハイブリッド陣営は、最高位のフェラーリとなった83号車フェラーリ499Pに1ポジション及ばない5位がベストリザルトとなった。

 ポルシェは最近のテスト走行でWECの新しい開催地であるイタリア・イモラでの経験を積んだが、ディウグイドによれば、このトラックの特性は、非常に滑らな路面だったカタールのルサイル・インターナショナル・サーキットほどは963に有利ではない、と考えている。

「イモラの特徴は、カタール全般とはかなり異なると思う」とディウグイドは記者団に語った。

「大きな縁石のある古いサーキットで、バンピーなので、まったく異なるダイナミクス(クルマの動き)になるだろう」

「カタールはおそらく私のキャリアの中で最もスムーズなサーキットで、昨年新たに再舗装が行われたため非常にスムーズで、マシンの車高をかなり低くして走らせることができた」

「もしイモラを他のサーキットと比較しなければならないとしたら、バンピーであるという点ではモンツァからそう離れていないと思う。(世の中の)サーキットの中で、中央に位置している感じだ。とても滑らかというわけではないが、セブリングやロングビーチほどバンピーではない」

「クルマを適切な動作ウインドウに収めることは、我々が重点を置いていることであり、だからこそ、今回の(イモラでの)テストは非常に価値のあるものだった」

■「カタールの状況はとても特別」とエストーレ

 ディウグイドは、特に平均ペースに基づいてレースごとに調整を行う2024年の新システムに基づいて行われたバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)の改訂により、トヨタとフェラーリが再び勝利争いに加わることを予期していると付け加えた。

「BoPは大きな影響を及ぼしており、トラックの特性によってイモラではセットアップウインドウが少し広くなるため、各車がかなり接近すると予想している」と彼は語った。

「トヨタとフェラーリが優勝を争うという通常の序列に近づくと思うが、我々もそこにいられると予想しているので、良いレースになると思う」

「彼らは良い、堅実なチームなので、イモラでは調子を取り戻すものと予想している」

 アンドレ・ロッテラー、ローレンス・ファントールとともにカタールで優勝した6号車ポルシェのドライバー、ケビン・エストーレも同様に、圧倒的なシーズンスタートを切った後、イモラではさらに困難な時期を迎えるものと予想する。

 エストーレは、ルサイルがタイヤに課した独特の要求が、今週末に再現される可能性は低いと説明した。

「カタールは、僕らがWECで訪れる多くのトラックとは、明らかに異なっていた」とエストーレは語った。

「タイヤの状況が違った。通常はタイヤを労り、とりわけダブルスティントをする際には、プッシュしすぎたり、滑ったりしないように注意する必要がある」

「カタールは少し逆で、タイヤを機能させるにはプッシュしなければならなかった。これは明らかに他のトラックとは大きく異なる点だ」

「カタールはとても特別で、僕らのチームはタイヤに何が必要かを理解するために、冬の間に大きな仕事をしてくれた。ただ、他のチームはもっと近づいてくるだろうし、まだまだ強くなると思っている」

「気温に大きく左右されるんだ。イモラでのミシュランの割り当てでは僕らはソフト側にいると思うので、タイヤをセーブできるクルマを作る方法を見つけなければいけない。うまくいけば、力強いアウトラップを維持すると同時に、ダブルスティントできるところまでタイヤをキープできると思う」

「勝利を目指して戦うのか、それとも5番手を目指して戦うのかはまったく分からない。僕らは勝つためにここにいるけど、競争は非常に厳しいものだからね」