フランコ・コラピントは、F1第7戦エミリア・ロマーニャGPで、ジャック・ドゥーハンに代わってアルピーヌのレースシートを得て、F1グリッドに華々しく復帰する。アルゼンチン人ドライバーのコラピントは、モータースポーツの最高峰で実力を証明するための5レースのチャンスを手にした。彼は個人的に深い意味を持つ会場で、自身の力量を示すことになる。

 第6戦マイアミGP直後に発表されたコラピントの昇格は、ドゥーハンが序盤6回のレースでポイントを獲得できず、一連の手痛いクラッシュを起こしたことから厳しい監督を受けるなど、アルピーヌの2025年シーズンの波乱に満ちたスタートに続くものだ。

『Auto Motor und Sport』(AmuS)の報道によると、コラピントの復帰は最近決定したとされているものの、以前から計画されていた可能性があるという。アルピーヌの発表から数時間以内にアルゼンチンでは全国的な広告キャンペーンが開始され、数週間前から準備が順調に進んでいたことが示唆された。またAMuSによれば、コラピントの多額のスポンサー支援と、アルゼンチンでのグッズ販売ブームへの期待が、彼の昇格のタイミングに影響を与えたという。


■イタリアで収めた多くの成功

 21歳の若きコラピントにとって、この瞬間はある種の帰郷を意味する。ジュニアフォーミュラからF1デビューまで、コラピントはイタリアで多くの成功を収めてきた。

「イタリアはいろいろな理由から、僕にとってとても特別な場所のように感じる」と、コラピントは今週のイモラでのレースラウンドを前に語った。

「モンツァは、僕が昨年F1デビューを果たした場所だ。そして今、アルピーヌでの初レースのためにイモラに向かう」

 イモラでの彼の競技記録には、FIA F3(2022年)とFIA F2(2024年)での画期的な勝利が含まれている。また、フォーミュラ・ルノーでの初勝利は2020年にモンツァで達成された。

「2020年に、モンツァでのフォーミュラ・ルノーのイタリアラウンドで初めて優勝したよい思い出がある。その後2022年と2024年に、イモラでF3とF2の両方で初優勝した」

 しかし、コラピントは今後の課題について幻想を抱いておらず、自信と感謝の気持ちとともに取り組んでいる。

「12月以来初めてレースウイークに参加できることをとても楽しみにしている。この機会を得られたことにとても感謝している。これからはスピードを上げて、自分がこのマシンで何をできるか見せなければならない」


■アルピーヌの挑戦に向けて万端の準備

 コラピントの昇格は、オリバー・オークス代表の辞任に続いて、フラビオ・ブリアトーレがその職務を引き継ぐという、アルピーヌの体制変更とも時を同じくしている。コラピントの迅速な任命は、決断力があり市場性のある人材を重視するブリアトーレの意向を反映しているのかもしれないが、アルピーヌ側は、これはトライアル期間だと明言している。

 コラピントの最初の契約は、来月のオーストリアGPまで有効で、彼には強い印象を残すために5レースが与えられる。コラピントが結果を出せなかった場合、第2のリザーブドライバーであるポール・アーロンが後に控えている。そうしたプレッシャーにもかかわらず、コラピントは挑戦する準備はできていると信じている。

「エンストンのみんなと一緒に2023年型のマシンをTPC (編注:Test of Previous Cars/旧型車を使用するテスト)で走らせたり、シミュレーター作業をした最初の数カ月は素晴らしいものだった。間違いなく準備ができていると感じている」とコラピントは語った。

 コラピントはまだF1マシンでイモラを1周したことはないが、サーキットの流れるようなレイアウトと豊富な経験が、彼を週末への期待に駆り立てている。

「イモラは本当に楽しめるコースだ。ここは伝説的な場所で、素晴らしいコーナーがいくつかある。特にF1マシンで初めて走るのが楽しみだ。週末に向けてチームの目標達成に貢献できるよう、チームとともに懸命に取り組み、早くペースを出せるように努力していく」

 コラピントの静かな自信と実績のある適応力は、2025年に不安定なスタートを切ったアルピーヌにとってまさに必要なものなのかもしれない。しかし、この5レースのスティントがそれ以上のものになるかどうかは、イモラで何が起こるかによって決まる。

[オートスポーツweb 2025年05月15日]