埼玉西武ライオンズのブライアン・ウルフ投手(36)が開幕から好調を維持している。主力投手の岸孝之がFAで楽天に移籍し、先発陣の戦力ダウンが危惧されていた西武だったが、昨季途中に加入したウルフが見事にその穴を埋める活躍を見せている。
 
 ウルフは30日のロッテ戦にも先発登板し、5回を89球で7安打、3奪三振、2四球、2失点と持ち味の打たせて取る投球が冴えロッテ打線に大量得点を許さず、中継ぎ陣の好投もあり今季8勝目(2敗)を手にした。
 
 2010年に来日して日本ハムに入団したウルフは、2013年までの在籍4年間で35勝をマークすると、2014年からはソフトバンクに所属。しかし、同年に右肘靭帯損傷によってトミー・ジョン手術を受けることとなり長期離脱。翌年の2015年シーズンは2試合の先発登板にとどまり、オフにソフトバンクを退団。その後、2016年シーズン途中から西武に加入すると、4試合で23回2/3を投げて4勝無敗の好成績を残し残留を果たした。
 
 ウルフが開幕からチームに帯同するのは2014年以来となったが、今季は5月に右脇腹の違和感で離脱した以外はローテーションを守り続け、トミー・ジョン手術からの復活、そして実力が健在であることを証明している。
 
 今季のウルフは16試合に登板して93回を投げ、8勝2敗、52奪三振、19四球、防御率2.71、Whip1.19という好成績を残している。防御率はリーグ4位で、8勝はパ・リーグの助っ人投手ではソフトバンク・バンデンハークと並んでトップタイとなっている。
 
 今季、ウルフは5〜7回までを投げて降板することが多く、イニング数はリーグ13位となっているが、今季の西武は7回以降を牧田・シュリッター・増田とつなぐ勝利の方程式が確立しており、その他にも武隈・大石(故障離脱中)といった頼れるリリーフもいるため、5回で降板しても救援陣がリードを守り切る展開が多くなっている。
 
 また、浅村栄斗・源田壮亮という守備力の高い二遊間の存在が打たせて取る投球を持ち味としているウルフとかみ合い、今季の好成績につながっていると言っても良いだろう。
 
 西武の助っ人先発投手がここまで活躍するのは、2001年の許銘傑、2002年の張誌家までさかのぼる。野手ではアレックス・カブレラ、クレイグ・ブラゼルなど好成績を残した助っ人を獲得してきたが、投手に関しては許と張が2桁勝利を手にした以来、助っ人が2桁勝利を上げることはなかった。
 
 2000年代後半にアレックス・グラマンが守護神として活躍していたこともあったが、それ以外の投手に関しては結果を残せず、1年もしくは2年で退団となるケースがほとんどだった。そのため、今季のウルフは15年ぶりに2桁勝利が期待できる”大当たり助っ人”と言っても過言ではない。
 
 自身5季ぶりの2桁勝利、キャリアハイ更新への期待が高まっているウルフ。マウンドではポーカーフェイスを貫き、淡々とアウトを奪っていく姿が特徴的な右腕は、夏以降はどのような投球を見せてくれるだろうか。