◆ 両雄譲らずのパリーグ首位争い

 オールスターも終わり、プロ野球もいよいよ再開。これから真夏の8月へと向かう後半戦、ますます注目を集めるのは、息詰まるパリーグ優勝戦線のゆくえだ。1位・楽天、2位・ソフトバンク、そのゲーム差はわずかに1.5。直接対決12試合を残す二強による「がっぷり四つの攻防劇」は、終盤までもつれていきそうな気配である。

 今季のホークスは開幕ダッシュに成功したイーグルスとは逆に、開幕直後の20試合で勝率.500と一進一退。しかし、4月25日以降の勝率は狗鷲軍団の.649を上まわる.683をマークし、勝ち方を知る常勝軍団が本調子を取り戻してきた。

 一方、楽天は交流戦明け、ペゲーロとともに打線を引っ張った茂木栄五郎が右肘痛で離脱。得点力の減少が心配されたなか、ウィーラー、銀次らが調子を上げて4年ぶりの前半戦首位ターンを決めた。


◆ 勝ちゲームの取りこぼしが致命傷になりかねない今後の優勝戦線

 そんな両雄にとって今後怖いのは、勝ちゲームの取りこぼしになる。なかでも、6回終了時にリードを奪った試合展開を落としてしまうのは、今後ますます致命的になる。

 投手の分業が確立している現在、6回終了時に勝っている試合は勝ちゲームだ。リードしたチームは7回以降「勝利の方程式」を注ぎ込むことができ、負けているチームは思い切った作戦がとりにくくなる。実際、最下位に沈むロッテとて同状況時の勝率は.792ある。

 優勝争いを演じる二強のリリーフ陣も同様、ここまで6回終了時にリードした試合は、かなりの高確率で勝利につなげてきた。リーグ1位の救援防御率2.10を誇るソフトバンクは41戦40勝1敗の勝率.976。五十嵐亮太、森唯斗、岩崎翔、サファテと盤石な布陣に、要所での起用が増えてきた左腕・嘉弥真新也が加わり、7月11日楽天戦で4点差を逆転されるまで「勝率10割」を誇った。

 同3位2.85の楽天も負けじと44戦40戦の勝率.909。防御率0.22の松井裕樹を筆頭に、開幕後の36試合で自責点ゼロが続く福山博之、8回を任された新外国人ハーマンが高いレベルで安定。森原康平や高梨雄平らルーキーの活躍も光り、数多くの継投を成功にみちびいた。


◆ ソフトバンク:離脱した五十嵐の穴をモイネロがどこまで埋めるか?!

 ほぼ完璧といえる任務をこなしている両雄のリリーフ陣だが、今後へ向けて課題点もみえてきた。

 ソフトバンクは今季復帰が微妙になった五十嵐亮太の故障が痛い。7月11日楽天戦で左足太ももを痛めたベテランは、ここまでの39試合で防御率1.30。走者有などの要所で登板するケースも多く、リリーフながら6勝を挙げている。

 その穴を5月に契約したキューバ代表左腕モイネロが、どこまで埋めることができるのか。そのモイネロが登板した6試合中3試合は楽天戦で、イーグルスの打者を13打数無安打、6三振、2四球に抑えている点は、今後の強みになりそうだ。


◆ 楽天:過酷スケジュールの中、コンディション維持できるか?!

 一方、楽天が直面すべき課題は、後半戦の過密日程である。9月3日まで7週連続の6連戦が続く。なかでも、猛暑が予想されている8月は27試合中、屋外球場18試合、自然共生型のメットライフドームで6試合と気象条件の影響を受けるゲームが多数を占める。

 経験のある松井裕、福山はともかくとして、あとは経験不足の面々ばかり。ハーマンはこのままいけば2009年にメジャー、マイナーで投げた合計59登板を超えるキャリア最多63登板ペースになる。松井裕、福山、ハーマンの次に登板数が多い森原、菅原秀、高梨はともにルーキーで今後は未知の領域だ。過酷な条件下、コンディションを整え、最後までパフォーマンスを維持できるかがカギになりそうだ。

※数字は2017年7月12日終了時点
※旧字・俗字や特殊な漢字につきましては、配信先で文字化けを起こす可能性があるため、常用漢字で表記しております。

文=柴川友次(しばかわ・ゆうじ)