◆ 注目の3連戦を前に…

 今季のセ・リーグは広島の強さが際立っているが、3位のDeNAも安定した戦いぶりを見せ、44勝39敗2分で貯金は5を数える。そのDeNAから5ゲーム差の4位につけているのが巨人だ(40勝45敗=借金5)。こちらも4カード連続の勝ち越しと、徐々に状態を上げてきた。

 阪神と中日も含めた4チームによるAクラス争いが後半戦の注目ポイントとも言われているセ・リーグ。21日からは巨人とDeNAの3連戦が組まれており、注目が集まる。

 シーズンは折り返し地点を過ぎたところ。まだ気は早いが、DeNAがこのまま貯金生活で、そして巨人が借金生活でそれぞれシーズンを終えるとなると、プロ野球史上非常に“稀”なシーズンとなる。


◆ 12球団の1位と12位

 2リーグ制になった1950年から2016年までの67シーズンでDeNA(前身の大洋、横浜時代などを含む)がシーズン勝ち越しを収めたのは14回。51回が負け越し、残り2回は勝率5割ちょうどだった。チームの通算成績は3899勝4866敗285分で勝率は.445。既存の12球団で最も勝率が低い球団となっている。

 一方の巨人は67シーズン中、シーズン負け越しは6回のみ。残りの61シーズンは勝ち越している(勝率5割は一度もない)。通算成績は、5823勝4133敗315分で、12球団で最も高い通算勝率(.585)を誇る。

 そのためDeNAが勝ち越し、巨人が負け越したシーズンというのはかなり珍しい。調べてみると、1979年と1997年の2回だけだった。ちなみに、巨人が勝ち越し、DeNAが負け越したシーズンは47回ある。


◆ 歴史的には…

 1997年というと、当時の横浜ベイスターズは大矢明彦監督の下、9月途中までヤクルトと激しい優勝争いを繰り広げ2位に躍進。翌年には権藤博監督がマシンガン打線を引っ提げ、チームを日本一に導いている。

 その後も2001年までは5年連続でシーズン勝ち越しを記録。常勝チームの仲間入りを果たすかに思われた。

 しかし、その後は一転、長い低迷期を迎え、2002年から昨季まで15年連続でシーズン負け越し中である。昨季は3位に食い込んだものの、借金2で終えたため、シーズン勝ち越しはお預けの状態だ。

 一方の巨人は、第二次原辰徳政権の2年目にあたる2007年から昨季まで10年連続でシーズン勝ち越し中。今季も優勝候補の筆頭と目されたが、球団ワーストの13連敗を喫するなど、苦しいシーズンを送っている。また、ここに来てDeNAからFAで獲得した山口俊に暴行疑惑が報じられるなど、グラウンド内外でファンを裏切る形となってしまった。

 歴史的に見ればプロ野球“最強”の巨人、そして“最弱”のDeNAという対照的な両チーム。2017年はDeNAにとって黄金期の始まりとなるのか。巨人にとっては凋落の始まりとなってしまうのだろうか。まずは21日からの直接対決3連戦に注目したい。


文=八木遊(やぎ・ゆう)