◆ ルーキーたちの前半戦

 パ・リーグの2連勝で幕を閉じた2017年のオールスターゲーム。第1戦の前日には期待の若手たちによるフレッシュオールスターゲームも開催され、こちらは史上初の『0−0引き分け』という珍しい結果に終わった。

 とにかく活きの良い若手投手たちが目立ったフレッシュオールスター。MVPはただ一人2安打と気を吐いた曽根海成(ソフトバンク)が獲得したものの、優秀選手賞は1回2奪三振無失点で会場を沸かせた藤平尚真(楽天)と、唯一イニング跨ぎの2回を投げて打者6人・3奪三振の完全投球を披露した古谷優人(ソフトバンク)という高卒ルーキー2人が受賞している。

 ほかにも、完封リレーの中には今井達也(西武)や小野泰己(阪神)、梅野雄吾(ヤクルト)に加藤拓也(広島)などなど、多くのルーキーたちが大舞台のマウンドに登り、好投を披露した。

 今回はそんな今後に期待が高まるルーキーたちのここまでに注目。二軍で規定打席・規定投球回に到達している選手を中心にその活躍を振り返ってみたい。


◆ ずば抜けた安定感を見せる藤平

 投手陣を見渡してみると、フレッシュオールスターでも表彰を受けた藤平が目立つ。

 両リーグ通じて唯一、新人投手ながら規定投球回に達しており、14試合で2勝3敗も防御率3.04はリーグ3位という好成績だ。

 なかでも特筆すべきは奪三振の多さ。68回を投げて78の奪三振を記録しており、これは三嶋一輝(DeNA/71個)や今村信貴(巨人/64個)といった一軍での経験豊富な投手たちを抑えて堂々のトップ。フレッシュオールスターでも2者連続三振でその才能を存分に見せつけた。

 ただし、一軍デビュー戦となった阪神との交流戦では5回を投げて奪三振ゼロで敗戦という悔しい思いも。ファームで武器を磨き上げ、一軍でのリベンジを目指す。

 その他では、中継ぎ起用がメインのために規定には届いていないものの、DeNAの尾仲祐哉が奮闘中。ここまで19試合の登板で1勝0敗4セーブ、防御率1.05と抜群の安定感を見せる。

 一軍では3試合・6回1/3を投げて防御率11.57と打ち込まれたが、過酷な夏場の戦いで投手陣に疲れが見え始めるところを救う存在となる可能性を秘めている。


◆ イースタンで野手ルーキーが躍動

 野手では、リーグによってその傾向がまったく異なる。

 ウエスタンでは、新人の規定打席到達は坂倉将吾(広島)のみ。日大三高からドラフト4位で入団した高卒ルーキーであるが、1年目から62試合の出場で打率.312を記録。同僚のメヒアに次ぐリーグ2番目の高打率を残している。

 しかもこの坂倉は捕手登録で、ここまで出場のちょうど半数にあたる31試合でマスクを被っている。球界待望の“打てる捕手”誕生への期待も高い。 


 一方のイースタンでは、ヤクルトの育成1位・大村孟が好調だ。BCリーグ石川からNPB入りのチャンスを掴んだ25歳は、ここまで67試合の出場でリーグ4位の打率.287をマーク。支配下登録へ猛アピールを続けている。

 登録は捕手も、故障者続出のチーム事情もあって一塁や三塁でも出場。捕手登録ながらそのユーティリティ性の高さで一軍定着を果たした藤井亮太のように、今後の起用法も含めて注目が集まる。

 また、大卒組では日本ハムのドラフト4位・森山恵佑が13本塁打でリーグトップ。持ち前のパンチ力を存分に発揮している。一軍では3試合の出場で5打数無安打に終わっただけに、後半戦でのプロ初安打・初本塁打に期待したい。

 時間がかかると言われる高卒組でも、西武のドラフト4位・鈴木将平はここまで60試合の出場で規定打席をクリア。トップとの差は大きいが、リーグ2位タイの11盗塁をマークしている。その他にも日本ハム9位の今井順之助や、DeNA5位の細川成也といったところが多くの経験を積んでおり、今季中のデビューにも期待がかかる。