◆ 最高の補強?

 トレード期限も迫ってきている7月26日。楽天が巨人からルイス・クルーズを金銭トレードで獲得したという衝撃の一報が飛び込んできた。

 2014年にロッテでNPBでのキャリアをスタートさせ、昨季から巨人に移籍。今季は外国人枠の兼ね合いもあって一軍出場はわずか9試合に留まり、打率.156と苦しいシーズンを送っていた。

 それでもファームでは格の違いを見せつけ、ここまで48試合の出場で打率.305をマーク。本塁打も2ケタ・10本を放つなど、持ち前の守備もバットもまだまだ錆びついてはいない。

 そんな中、突然に舞い込んできたトレードの知らせ。これには多くのファンが驚きの声を上げたが、クルーズ獲得はこれから激しい優勝争いを戦っていくチームにとってうってつけの補強であると言える。


◆ 快進撃の立役者が離脱

 まず今季の楽天といえば、チームを支える助っ人トリオの存在が思い浮かぶ。

 ペゲーロ、ウィーラー、アマダー。3人はそれぞれ中軸として2ケタ本塁打を放っており、アマダーが20本までその数を伸ばせばプロ野球史上初の“助っ人20発トリオ”が完成するというほど。間違いなく相手投手の脅威となっている。

 ただし、現在の規定で外国人選手の一軍登録上限は「4人」となっており、かつ「投手4:野手0」や「投手0:野手4」と全てをどちらか一方に振ることはできなくなっている。そのため、上述の3人とクルーズを同時に起用することはできない。

 これでは、巨人と同様に枠の問題で犠牲者が出てしまうのではないか…。そんな懸念事項も浮上してくるが、しばらくその心配はいらない。

 というのも、開幕から“恐怖の2番”として快進撃を支えてきたペゲーロが太ももの負傷で戦線離脱。野手の一軍枠がひとつ空いたのだ。

 しかも、チームは茂木栄五郎と藤田一也という二遊間コンビもケガで欠いており、クルーズはその両方を埋めることができる。まさに直近のチームの傷口をふさぐには最適な存在なのだ。


◆ ペゲーロ復帰後は“同郷競争”?

 ペゲーロが帰ってきた時には助っ人野手の誰かが二軍に落ちることになるが、この“競争”もチームに良い効果を生むだろう。

 前半戦を振り返ってみると、梨田昌孝監督はなるべくこの3人を一軍に置いて、結果が出なくても我慢して起用する姿勢が見られた。ところが、今度からは少しでも調子が悪ければ入れ替わるライバルがいる。自分の居場所は自分で守らなければならないのだ。

 特に序盤はムラッ気の多いアマダーを我慢して起用し続けるシーンというのも目立ったが、後半戦はそこにクルーズを持ってくるということができるようになる。どちらか状態の良い方を選択するということができるようになり、チームとして戦いの選択肢も広がる。

 また、アマダーとクルーズといえば、シーズン前には同じメキシコ代表のユニフォームを着てWBCを戦っていた仲。日本での“再会”がお互いに与える影響というのも小さいものではないだろう。徐々に調子を上げているアマダーが、クルーズ加入をキッカケにさらに覚醒…なんてこともあるかもしれない。

 なにはともあれ、首位死守を目指すチームにとって頼もしい存在となることは間違いない。猛追する鷹を振り切り、4年ぶりの歓喜へ…。クルーズは楽天を優勝へ導く使者となれるだろうか。