◆ 稀に見る大逆転劇

 26日に神宮球場で行われたヤクルト-中日の試合は、11-10でヤクルトが勝利した。

 ヤクルトは7回表まで0-10と敗色濃厚の展開だったが、7回裏に中村悠平が2点本塁打を放つと、8回裏には8安打8得点の猛攻で同点に追いつく。そして、延長10回には投手・石山泰稚の代打で出場した大松尚逸がサヨナラ本塁打を放ち、試合終了。ヤクルトが史上稀に見る大逆転を成し遂げた。


◆ 史上4度目の試合

 10点差をつけられた状態での逆転勝利はNPBのタイ記録。今回の逆転劇は20年ぶり4度目の出来事だった。

<1949年10月2日>
大映|109 000 000 |10
太陽|000 003 431x|11
勝ち投手:江田 貢一
負け投手:木場 巌

<1951年5月19日>
松竹|000 011 353|13
大洋|034 113 000|12
勝ち投手:小林 恒夫
負け投手:林 直明

<1997年8月24日>
ロッテ|550 000 000 000 |10
近鉄 |001 140 301 001x|11
勝ち投手:赤堀 元之
負け投手:吉田 篤史

<2017年7月26日>
中日  |030 340 000 0 |10
ヤクルト|000 000 280 1x|11
勝ち投手:石山 泰稚
負け投手:伊藤 準規


◆ 逆転「する側」も「された側」も経験した2人

 初の10点差大逆転試合は、1949年に京都衣笠球場で行われた太陽-大映戦。太陽は3回が終わった時点で10点差をつけられていたが、6回裏から得点を重ねて11点を奪い逆転した。この試合では藤井勇という太陽の選手が二塁打2本、本塁打1本を放ち、7打点と大活躍。大逆転の立役者となっている。

 2度目の10点差大逆転試合は、1951年に大分県立春日浦球場で行われた松竹と大洋の試合。この時は松竹が8回・9回に合計9点を奪う猛攻を見せた。

 またこの試合、1949年の試合で逆転されたチームである大映に所属していた小鶴誠という選手が、その時の鬱憤を晴らすかのように6打点の活躍。相手チーム・大洋には奇しくも、1949年の試合での7打点を記録した藤井勇が所属していた。つまり小鶴と藤井は2度の大逆転試合を勝者としても敗者としても経験している。


◆ 総力戦の末、大逆転

 1997年の近鉄-ロッテ戦では、ロッテが1回、2回に5点ずつ奪うも、その後近鉄がこつこつと得点を重ねて9回に同点に追いつく。最後は延長12回、近鉄・クラークがサヨナラ適時打を放ち、試合を決めた。

 この試合は近鉄がベンチ入りした野手8人を起用して代走に投手の入来智を使うほどの総力戦。当時抑えを務めていた赤堀は1点差に迫った直後の8回表からマウンドに上がり、5イニングを投げるなど、全戦力をつぎ込んで得た勝利だった。


◆ 大逆転は勢いを産む!?

 10点差をひっくり返すドラマを見せたヤクルト。現在は最下位に沈んでいるチームだが、今回の勝利を浮上のキッカケとすることはできるのか!?

 1949年の太陽は逆転勝利の後に4連勝。松竹はその後の10試合を5勝5敗の勝率.500だったが、近鉄は5連勝を飾り、さらに1敗を挟んで4連勝と勝ちを積み重ねた。

 果たしてヤクルトは、太陽や近鉄のように大逆転劇をキッカケに勢いに乗れるのか……。今後の試合にも注目したいところだ。