◆ よもやの連敗…

 目前に迫った勝利が手からすり抜けた。

 8月9日、東京ドームで行われた巨人−阪神の“伝統の一戦”。巨人はビハインドの7回に二死満塁からマギーが走者一掃の適時二塁打を放って逆転に成功。点を取った直後の8回も西村がピシャリと抑え、勝利へのお膳立ては整ったかに見えた。

 ところが、満を持して登場したストッパーのカミネロが誤算。一死から伊藤隼に安打を許すと、続く福留には右中間突破の三塁打を浴びて同点。続くロジャースには高めのボール球をレフトまで運ばれ犠飛を許し、そのまま4−5で敗れた。

 カミネロはこれが2戦連続の敗戦投手。4日に行われた中日戦では、5−5の同点で迎えた9回に連打を浴び、併殺崩れの間に失点。手痛い敗戦を喫している。


◆ 苦戦の要因は…?

 6月までは安定した投球を見せていたカミネロだったが、7月は13試合の登板で防御率5.40と苦戦。

 6月終了時に1.61だった防御率は、現時点で3.25まで悪化。一体何が変わってしまったのか…。データ面から原因を探ってみると、気になる数字がひとつ。最大の武器であるストレートが打たれるようになってきている点だ。

【カミネロ・月別のストレート被打率】
4月:率.267(30−8)
5月:率.294(17−5)
6月:率.308(13−4)
7月:率.467(30−14)
8月:率.429(7−3)

 球速自体は9日の試合でも159キロを計測するなど、150キロ中盤から後半のスピードを連発している。ところが、被打率を見てみると明らかに打たれる確率が上がっているのだ。

 疲労か、はたまたフォームや投球のクセを研究された結果か。いずれにしても投球の柱となるボールだけに、この傾向が続くようだと今後も苦しい投球は続くことだろう。


◆ 完璧投球で連敗はストップ

 連敗で迎えた8月10日の試合。巨人は8回に勝ち越しに成功し、5−2と3点リードで9回へ。マウンドにはカミネロが上がる。

 これ以上の失敗は許されない“背水の陣”となったが、前日逆転劇の口火を切る安打を打たれた伊藤を157キロの速球で内野ゴロに仕留めると、同点三塁打を許した福留は落ちるボールで内野ゴロに仕留めて二死。最後は俊介を155キロの速球で内野フライに打ち取り、完璧なリリーフで20セーブ目を挙げた。

 3位のDeNAとは4ゲーム差。十分に射程圏とはいえ、勝ちゲームを取りこぼしていてはその差はなかなか詰められない。最後を締めるカミネロの復調なくして、逆転CSへの道はないのだ。

 勝負の8月戦線はまだはじまったばかり。巨人リードで迎えた9回、カミネロが見せるパフォーマンスに注目だ。