◆ 球速以上にスピードを感じる直球

 8月9日の楽天戦、日本ハムのドラフト1位ルーキー・堀瑞輝が一軍初昇格、即プロ初登板。6回からマウンドに上がり、2奪三振含む三者凡退に抑え、上々の一軍デビューを果たした。

 高卒新人ということで、チームもじっくりと大事に育てているのだろう。ファームではこれまで6試合8回を投げたのみ。ただ、その成績は1勝0敗、被安打3の奪三振12で防御率0.00と優秀なもの。広島新庄高時代、第11回BFA U-18アジア選手権大会などで三振の山を築いた奪三振力はプロでも十分に通用している。

 その奪三振を生むのは、サイド気味のスリークォーターから繰り出すストレートとスライダーのコンビネーション。デビュー戦でもその力を見せつけた。ストレートは最速150キロだが、この日は140キロそこそこ。それでも、しっかり腕を振る投げっぷりとテンポの良さからか、球速以上にスピードを感じさせるものがあった。

 一軍初の対戦相手は聖澤諒。得意球のスライダーを引っ掛けさせて一ゴロに仕留めた。続く阿部俊人は外角いっぱいに決まった角度のあるストレートに手を出させず見逃し三振。右の嶋基宏には8球粘られたが、最後は高めのスライダーで空振り三振に斬って取った。嶋を相手に見せた外角に沈むチェンジアップも緩急を生かすカードとして威力を発揮しそうだ。しかも、高卒新人ながらデビューのマウンドで時折笑顔を見せるなど、肝も据わっている。


◆ 鉄腕・宮西を休ませる活躍に期待

 現在、日本ハムは最下位ロッテにもわずか1ゲーム差に迫られている5位。苦しむ昨季の覇者にとっては久々に飛び込んできた明るいニュースだ。

 チームには宮西尚生という左腕の大先輩がいる。その宮西も32歳。ルーキーイヤーの2008年を除き、3点以上の防御率を残したことがない鉄腕も今季はここまで防御率3.60。救援に失敗するケースも目につき、すでに4敗を喫した。

 サイド気味のフォームでストレートとスライダーのコンビネーションが最大の武器という点で、堀はまさに「宮西二世」といえる。おそらくしばらくは中継ぎでの起用になる。その左腕で宮西を休ませるような活躍ができれば、チームにとって大きな収穫となるだろう。
※数字は2017年8月11日終了時点

文=清家茂樹(せいけ・しげき)