◆ 故障に苦しんだ今季

 2016年に自己最多の16勝を挙げるなど、メジャー日本人投手の中でもトップクラスの安定感を誇っていた岩隈久志。しかし、今季はメジャー6年目にして初めて未勝利に終わるという屈辱のシーズンとなった。

 未勝利に終わったのも無理はない。右肩故障などの影響で登板自体が春先の6試合だけだった。懸命のリハビリも実らず、5月上旬を最後にメジャーでは登板せずにシーズンを終えた。

 それでもオフはマイナー契約ながらシアトル・マリナーズに残留が決定。来年4月に37歳を迎えるが、昨季までの安定感を見せられれば、先発ローテーション入りは確実だろう。しかし復活の兆しを見せることができなければ、シーズン途中の解雇もあり得る厳しい立場にある。

 復活にはフォーシームの球速アップが不可欠だ。デビューした12年は平均91.0マイル(146.4キロ)だったフォーシームは、2年目以降、90.5→90.2→89.2→88.6、そして今季は85.9マイル(138.2キロ)まで毎年下落している。来季は少なくとも89マイル(143.2キロ)前後には戻したいところだ。

 また、ここ2年は岩隈の真骨頂でもあるツーシームの威力が半減したのか、三振に次いで最もアウトになり易いといわれるゴロの割合が大きく減っている。12〜15年の4年間で50.1%だったゴロ割合は、16年以降40.8%まで減少。より安打、長打になり易いフライとライナーの割合が増加しているのだ。復活には全盛期のようにゴロの山を築く必要があるだろう。

 来季は、故障をしっかり完治させ、2016年に近い状態で投げる必要があるだろう。まずは、持ち前の投球術で2年ぶりの白星をつかみたい。そして、25試合以上先発登板できれば、3年ぶりの2ケタ勝利も十分に達成可能だろう。

▼ 岩隈久志
岩隈久志,
生年月日:1981年4月12日(36歳)
身長/体重:190センチ/95キロ
投打:右投右打
ポジション:投手
経歴:堀越高−近鉄(99年D5)−楽天−マリナーズ
[今季成績] 6試 0勝2敗 奪三振16 防御率4.35
[通算成績] 150試 63勝39敗2セーブ 奪三振714 防御率3.42

文=八木遊(やぎ・ゆう)