◆ 嶋退団の楽天、正捕手争いに注目!

 東京五輪の影響もあり、3月20日にレギュラーシーズンが開幕する2020年のプロ野球。新シーズンが始まる前に、各球団のチーム状況を探りながら活躍が期待される若手を球団ごとにピックアップ。今回はパ・リーグ編だ。

●西武:山野辺翔(内野手/社会人出2年目)

 今オフ、秋山翔吾がメジャーリーグのレッズへ移籍。リードオフマンの退団は大きな痛手だが、生きのいい若手が次々に出てくるのが西武の強み。外野手だけでも愛斗、鈴木将平、川越誠司、戸川大輔らが後釜候補として挙げられるが、NPB屈指のユーティリティープレイヤー・外崎修汰がいることで“ポスト秋山”を巡る争いは内野陣にまで波及する。

 注目は正二塁手を狙う山野辺。1年目の昨季は一軍でわずか1安打に終わったが、二軍ではイースタン・リーグ1位の29盗塁、チームトップの12本塁打、打率.271、出塁率.347を記録した。各球団の若手が集うアジアウインターリーグでも打率.389をマーク。あとは一軍で結果を残すだけだ。浅村栄斗、秋山、金子侑司、外崎、源田壮亮らに続く、西武では活躍度が高いと言われているドラフト3位指名の継承者。2年目のブレイクを果たし、改めて“ドラ3”のジンクスを証明したい。

●ソフトバンク:尾形崇斗(投手/高卒3年目)※育成選手

 千賀滉大、甲斐拓也、牧原大成、石川柊太、大竹耕太郎、周東佑京――。彼らは育成契約から這い上がり、昨季の日本シリーズ3連覇に貢献した選手たちだ。“育成王国”と呼ばれるソフトバンクに、また楽しみな新星が現れた。育成3年目を迎える右腕の尾形だ。

 昨季は三軍戦31試合に登板し、66回2/3で驚異の104三振を奪取。秋の「みやざきフェニックス・リーグ」でも、計8イニングで18奪三振をマークした。その後に派遣された台湾でのアジアウインターリーグでも、10試合に救援登板し防御率0.77、23奪三振を記録。育成選手ながらNPBレッドの抑えを任され、他球団の支配下投手を上回るパフォーマンスを披露した。最速152キロの直球を軸に、カットボールやフォークなど変化球の精度も高い。まずは支配下登録を目指す立場だが、能力に疑いの余地はない。

●楽天:太田光(捕手/大卒2年目)

 今オフ、正捕手として長年チームを支えてきた嶋基宏が自由契約を申し入れてヤクルトに移籍。三木新体制となる楽天の注目ポイントは、太田、堀内謙伍、足立祐一、山下斐紹らが中心となる正捕手争いだろう。

 注目は2年目の太田。ルーキーイヤーの昨季は34先発含む55試合でマスクを被り、打撃成績こそ打率.219、6打点、1本塁打に終わったが、守備面では盗塁阻止率.389をマーク。まずは捕手として重要なディフェンス面でアピールした。打撃も二軍戦では、50試合の出場で打率.264、3本塁打、出塁率.353を記録。攻守両面でレベルアップを果たし、2年目の目標に掲げる「全試合出場」に突き進む。

●ロッテ:小島和哉(投手/大卒2年目)

 チームリーダーの鈴木大地が楽天へFA移籍したが、その楽天から美馬学、ソフトバンクから福田秀平をそれぞれFAで獲得。さらに、広島のリーグ3連覇を支えたジャクソン、前楽天のハーマンとNPBでの経験が豊富なリリーバーを補強し、ドラフトでの佐々木朗希獲得も含め、ロッテはストーブリーグの主役となった。

 オフの積極的な動きもあり、投手陣の顔ぶれは大きく変わった。近年、石川歩とともに先発ローテを支えていた涌井秀章とボルシンガーが退団。新シーズンは二木康太、岩下大輝、種市篤暉ら、若手のさらなる飛躍が求められる。2年目の小島もそのひとり。昨季は3位争いが激しくなった夏場以降にローテーションに定着し、トータル3勝(5敗)を挙げた。ローテ候補は今季も右腕に偏り、左腕の小島は貴重な存在。ロッテではしばらく現れていない左腕エースの誕生に期待したい。

●日本ハム:清宮幸太郎(内野手/高卒3年目)

 2019年は故障者が相次ぎ、リーグ5位に終わった日本ハム。投手陣はリーグ3位のチーム防御率3.76と踏ん張ったが、攻撃陣は同5位の560得点。ロッテへ移籍したレアードの穴を埋められず、チーム本塁打数は前年の140本から93本、同長打率も前年の.393から.365へ低下。長打力低下が顕著だった。

 今オフ、前巨人のビヤヌエバを正三塁手候補として迎え入れたが、若手野手の突き上げにも期待したいところ。その筆頭が清宮だ。昨季はオープン戦中に右手有鈎骨を骨折し、一軍復帰は5月下旬。そこから81試合に出場し4番に抜擢された期間もあったが、打率.204、7本塁打、33打点と不本意な成績に終わった。シーズン終了後の10月末には右肘の手術を受け、現在リハビリ中。昨年は故障に苦しんだだけに、今年は万全な状態で開幕を迎え3年目の覚醒といきたい。

●オリックス:張奕(投手/大卒4年目)

 昨季は最下位に沈み、5年連続のBクラスと低迷期が続くオリックス。それでも、新たに先発ローテの柱を託された山本由伸、山岡泰輔がそれぞれ投手タイトルを初受賞するなど、若手の台頭が目立ったシーズンでもあった。

 新シーズンのブレイク候補に挙げられるのが、台湾出身の張奕(ちょう・やく)。2016年の育成ドラフトで外野手として入団するも、18年途中から投手に転向。昨年5月に支配下登録を果たし、一軍では8試合に登板し2勝4敗、防御率5.93の成績を残した。台湾代表として出場した11月の国際大会「プレミア12」では、同代表のエース格として2戦2勝、防御率0.00を記録。先発投手部門でのベストナインに選出された。新人王資格も残っており、さらなる飛躍が期待される。