◆ 新型コロナ感染拡大の影響で…

 3月20日に予定されていたプロ野球の開幕は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、無期延期となった。17日に行われた12球団代表者会議で、5月中の開幕を断念し、交流戦の中止が決まった。

 マリーンズがリーグ優勝するためには、日本人投手のシーズン2桁勝利、100打点以上を挙げる選手が必要となってくると述べたが、143試合の開催が困難な状況となっており、試合数を考えると100打点以上を挙げる選手を輩出できるかやや難しい。

 試合数が少なくなると仮定すると、チームの勝敗の命運を握る“勝利の方程式”と呼ばれるリリーフ陣の早期確立、リリーフ陣の層の厚さが例年以上に、優勝に向けて重要となってくるのではないだろうかーー。

 例年であれば、春先“勝ちパターン”に苦労していても、試行錯誤しながらシーズン終盤の大事な時期までに“勝利の方程式”の形ができれば、リーグ制覇、Aクラス入りができるかもしれない。

 ただ今季は、“勝利の方程式”に試行錯誤している間に、あっという間にシーズン終盤を迎える可能性が十分に考えられる。リリーフ投手をどこまで信用し、どこで見切るかーー。その1敗が命取りになりかねない。“決断力”がいつも以上に問われる1年となりそうだ。

 “勝利の方程式”を固定するとともに、リリーフ陣の層を厚くしていく必要があるのではないだろうか。

◆ オフにリリーフ陣を補強

 マリーンズは昨季、守護神・益田直也に繋ぐセットアッパーをシーズン通して固定することができず、イニング別失点では、8回の87失点が最も多かった。

 課題だったリリーフ陣を強化すべくオフは、楽天時代に3年連続40登板を果たしたハーマン、広島時代にリーグ3連覇に大きく貢献したジャクソンと、実績のある外国人を補強。楽天へFA移籍した鈴木大地の人的補償として、2年連続イースタン・リーグ最多セーブの小野郁を獲得した。

 今更ではあるが、故障がなければある程度“計算”のできるジャクソン、ハーマンの2人を獲得できたことはかなり大きい。この2人が7回、8回を任せることができれば、勝利の方程式を確立することができる。また、先発の出来次第で7年連続40登板中の鉄腕サウスポー・松永昂大、昨季シーズン自己最多の58試合に登板した東條大樹を早いイニングから積極的に継ぎこめ、ジャクソン、ハーマンが故障や不振に陥った場合、松永、東條といったピースで補える。

 さらに、同じくシーズン自己最多の44試合に登板した田中靖洋、オープン戦で150キロ台のストレートを連発した移籍2年目の石崎剛、ストレートに力強さが増した2年目の中村稔弥、ソフトバンク・森唯斗との自主トレで高速カーブを教わった同じく2年目の東妻勇輔などがいる。

 特に石崎、中村は春季キャンプ、オープン戦の投球を見ていると、今季はかなり期待が持てる。井口監督も球団公式インスタグラムでのファンからの質問で石崎について「持久力もあって、瞬発力もあって、体力も凄い。キャンプのランニングメニューではいつもトップ。遠投をさせても凄い。全身バネのような選手で、すべてにおいて凄い能力を持っています。つねに150キロを出せますし、今年はセットアッパーとして期待をしています」とコメントすれば、中村稔についても「昨年と比較してストレートが、かなり良くなった。それにスクリュー気味のシンカー系のボールも、とても良い。どこでも使える選手で先発もさせてみたいと思っています」と期待を寄せている。

 その他にも、ワンポイントからロングリリーフまで幅広くこなせるチェン・グァンユウ、昨季ファームで50試合以上に登板した左の成田翔、150キロを超えるストレートが魅力の永野将司、経験豊富な大谷智久、内竜也、南昌輝といった投手たちも控えている。リリーフの層は確実に厚くなっている印象だ。

 また、昨季日本シリーズに進出したソフトバンク、救援防御率リーグトップだった楽天をはじめ、リリーフ陣が強力なパ・リーグのチームは“速球派”が多い印象だが、マリーンズも益田、ジャクソン、ハーマン、石崎、小野、東妻など“速球派”のリリーフが揃ってきた。

 いつシーズンが開幕するか不透明な状況ではあるが、開幕したときにマリーンズのリリーフ陣がチームの勝利に多く貢献してくれることだろう。

文=岩下雄太