◆ 昨季は攻撃的な2番打者

 3月20日に開幕が予定されていたプロ野球は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、6月19日となった。

 本来であれば開幕していたはずのプロ野球。選手だけでなく、ファンも1日も早くプロ野球を観たいという思いが強いだろう。マリーンズに目を向けると、外野のレギュラー争い、ショートのレギュラー争い、先発ローテーション、勝利の方程式は誰が掴むのかなど、気になることは多い。そのなかでも、個人的に気になっているのが“2番打者の役割”と、誰が座るかだ。

 井口監督体制1年目の18年は、立ち上がり相手投手が不安定なところも送りバントで繋ぐというケースが多かったが、昨季は初回からビッグイニングを作りたいという理由で打って“3番打者”につなぐ攻撃を展開した。

 2番打者の犠打数を見ても、18年は28犠打だったが、昨季は約半分の15犠打。チーム最多の89試合で2番に座った鈴木大地は、2番での犠打数は10個だった。犠打数は減った一方で、2番打者の本塁打数は18年の7本から19年は23本と増加した。この本塁打数はマリーンズの打順別でみると、30本塁打の4番打者に次いで2番目に多い数だった。数字を見ても、2番打者が攻撃的だったことがわかる。

▼ 井口監督体制2年間の“2番打者”成績
18年:率.234(534−125) 本7 点43 四死66 犠打28 盗19
19年:率.277(562−156) 本23 点97 四死70 犠打15 盗6

◆ 練習試合、OP戦の2番打者は?

  今季を迎えるにあたって、鈴木が楽天へFA移籍した。国際交流試合、練習試合、オープン戦の25試合で、角中勝也がもっとも多い10試合に2番で出場。次いで中村奨吾の9試合となっている。

 角中は12年と16年に首位打者の経験を持つ。オープン戦ということもあり、もちろん犠打数は0。角中や中村が2番を打つことになれば、送って3番に繋ぐというよりも、昨年と同じように打って一、三塁、二、三塁とチャンスを広げていく攻撃になっていきそうだ。

▼ 国際交流試合、練習試合、オープン戦2番打者出場者
10試合 角中勝也(練:3試 オ:7試)
9試合 中村奨吾(練:9試)
2試合 菅野剛士(練:1試 オ:1試)
1試合 マーティン(オ:1試)
1試合 高部瑛斗、藤岡裕大、福田光輝(練:1)

◆ 打って走れる2番が現実的!?

 ただ、オープン戦では不動のリードオフマン・荻野貴司が出場していない。そのため新加入の福田秀平が1番に座ることが多かった。

 井口監督は球団公式インスタグラムのファンからの質問コーナーで「今年、コーチ陣とは試合数と同じ数は盗塁をするという目標設定をしています。一昨年124個で昨年は75個まで減ってしまったので今年は原点に戻り、走れるチームを作りたいと思っています」と“足”を使った攻撃を行っていくことを示唆しており、ある程度“打って、走れる”選手が2番を打つことが予想される。

 18年と19年の2番打者の盗塁数を見ても、18年の19盗塁から19年は6盗塁と、犠打数とともに盗塁数も大きく減少した。

 そうなると、走塁力の高い角中、18年に39盗塁をマークした中村とともに、11年から15年にかけて“32”連続盗塁を記録した福田秀、井口監督が就任した18年以降もっとも多く1番を打っている荻野貴司も2番打者の候補となりそうだ。

 練習試合では1番の藤原恭大、2番・中村奨、3番・福田秀とジグザグに組むことが多かったが、オープン戦では1番・福田、2番・角中、3番・マーティン、中村と左が3人上位に座るという組み合わせもあった。

 荻野が昨季と同じように1番に座れば、2番・福田秀、3番・中村という右、左、右となることに加え、3選手とも走れる選手で、井口監督が掲げる“走れるチーム”という理想に近い形となる。

 打って繋ぐとともに、足で揺さぶることのできる2番打者が座ることができれば、相手投手にとってはかなり嫌だろう。さらに、井上晴哉、レアード、マーティンといった長打の打てる選手も中軸には控えており、“打って走れる2番”を置くことができれば、昨季以上に脅威な打線になる。

 6月19日のプロ野球開幕に向けて、6月2日から練習試合が行われる予定となっている。オープン戦で出場のなかった荻野がスタメン出場したときに、どういう打線が組まれるのか非常に注目だ。

文=岩下雄太