2、3月の練習試合、オープン戦、6月に行われた練習試合の“代走”で存在感を見せたロッテの和田康士朗が、開幕一軍の切符を掴んだ。

 今年の5月31日までは育成選手だった和田。支配下選手登録を目指す立場だったが、6月1日に支配下選手登録をされ、2日からの練習試合では8盗塁を記録した。今もっともマリーンズの若手野手で、勢いのある選手のひとりといえるだろう。

 振り返れば、昨年の今頃はファームで支配下選手を目指す選手だった。その選手が1年後、自身の武器のひとつである“足”で、一軍で自分の居場所を確保している。

 そんな和田は、昨年の今頃は自分の盗塁技術を必死に磨いていた。

 「春のキャンプ(2019年)からスタートがすごく遅いと言われていたので、それはトレーニングコーチであったり、コーチにスタートのやり方を教えてもらって、自分に合うのをいろいろと試しています」

 「ピッチャーのモーションだったり、カウントだったり、いろいろ考えながら走っています」

 「走らないと改善点もわからないので、アウトになってもいいからというのはおかしいですけど、トライしていろいろと改善点を見つけていきたいなと思います」。

 そして、このときの取材で足の速さに関して「自信はある」と話しながら、自信を持って盗塁ができているかという質問に「まだ、不安もありますね」と答えていたのが印象的だった。

 あれから1年が経ち、自らの手で支配下選手登録を掴み取り、試合終盤の代走で必要不可欠な選手になりつつある。

 本当の勝負はここから。練習試合では8盗塁をマークしたが、さらにプレッシャーのかかる公式戦で今持っている力を一軍の舞台で発揮できるかが今後一軍で活躍していくうえで、大事になってくる。

 絶対に盗塁してくると相手がわかっている場面で、その緊張感、プレッシャーを跳ね除け、盗塁を決める必要がありそうだ。盗塁を成功する姿、ホームへ駆け抜ける姿を一軍の舞台で、数多く見せて欲しい。

 “走れコウシロー”。マリーンズ勝利のために。

文=岩下雄太