◆ ストライク先行の投球

 ロッテの美馬学は、2−1の6回に3点を失い一時逆転を許したが、首位・ソフトバンク打線を7回4失点にまとめ今季6勝目を手にした。

 初回から投球の間合いが短く、ストライク先行の投球で凡打の山を築く。4回にグラシアルに一発を浴びたが、5回まで1失点に抑え、5回終了時点で58球という省エネ投球だった。

 2−1の6回に先頭の牧原大成の内野安打を許したことをきっかけに、3点を失い逆転を許したが、直後の7回に清田育宏、中村奨吾の適時打で3点を奪い逆転に成功。5−4となった7回裏は、川瀬晃を空振り三振、牧原を見逃し三振、中村晃を三ゴロに仕留めた。この日の美馬は7回を投げ、100球、7安打、6奪三振、1四球、4失点。春季キャンプ中、「若手のお手本でいられるようなピッチャーでいたい」という言葉にふさわしい投球だった。

▼ 美馬のイニング別の投球数
合計=100球
1回:10球/10球
2回:15球/25球
3回:8球/33球
4回:12球/45球
5回:13球/58球
6回:28球/86球
7回:14球/100球

◆ 美馬が7イニングを投げる

 試合を改めて振り返ると、前日の石川歩に続き美馬が7イニングを投げたことは非常に大きい。マリーンズのリリーフ事情でいえば、セットアッパーのハーマンがこの試合前まで2連投していた。今季は開幕から1週間に4試合投げた投手がおらず、6連戦中に3連投した投手は誰もいないという状況だった。

 結果的に1点差だったこともあり、守護神の益田直也がマリーンズのリリーフ陣では今季初めて3日連続の登板となったが、美馬が7回を投げ切ったことで、ハーマンを休ませることができた。

 そして普段は勝ち試合の7回を投げる唐川が、1点リードの8回から登板し、3番・柳田悠岐、4番・グラシアル、5番・栗原陵矢のクリーンナップを危なげなく3人で片付けたことも、勝利した要因のひとつだ。

◆ 存在感を高める美馬と石川

 開幕直後は種市篤暉、岩下大輝といった若手が先発陣を引っ張ってきたが、ここへきて経験豊富な美馬、石川の存在がかなり高まっている。

 美馬は防御率こそ「4.84」だが、首位・ソフトバンク戦に限れば、今季3勝0敗、防御率「2.70」と抜群の安定感を誇る。7月14日の日本ハム戦からカード頭の火曜日の先発を任されていたが、先発した8月25日の楽天戦の翌日に一軍登録を抹消され、ソフトバンク戦の登板にあわせて再び一軍登録された。

 今後のソフトバンク戦の日程をみると、9月25日〜27日(ZOZOマリン)、10月9日〜11日(PayPayドーム)は金曜日からのカードとなっており、そこにあわせて投げることが予想される。

 石川は7月終了時点で1勝2敗、防御率4.23だったが、7月31日の楽天戦で今季初白星をあげると、8月は4戦4勝。9月も4日のソフトバンク戦で7回を2失点に抑え勝利投手になるなど、現在自身6連勝中だ。開幕から12試合に登板して、全ての試合で6イニング以上を投げ、リリーフ陣を休ませることができている。

 美馬が現在自身4連勝中で石川が6連勝中。美馬と石川の連勝がはじまった8月以降、チーム状態が一気にあがった。若手の小島和哉、岩下も開幕からローテーションを外れることなくしっかり投げており、先発の“軸”として期待された実績のある2人が、計算通りの働きを残りのシーズンでも見せてくれれば、大きくチーム状態が落ちることはないはずだ。

▼ 美馬学
7月まで:6試 2勝2敗 34回2/3 自責22 防5.71
8月以降:5試 4勝0敗 32回1/3 自責14 防3.90

▼ 石川歩
7月まで:7試 1勝2敗 44回2/3 自責21 防4.23
8月以降:5試 5勝0敗 33回 自責12 防3.27

文=岩下雄太