21日、DeNAの三浦大輔監督が、自身が生まれ育った奈良・橿原市の亀田忠彦市長とオンラインで対談し、その後、報道陣の取材に応じた。

 「毎年橿原神宮へ初詣に行って。何といっても高校野球。3年夏の県大会決勝も(当時の)橿原球場。いろんな思い出がいっぱいある」。オンライン対談でにこやかに語った三浦監督。

 小学生の頃、取り組んでいたのが「天井へ向かってのボール投げ」だ。「よく家で寝っ転がって天井にボールを投げてキレイな回転を与えて、という練習というか、遊びでやっていた。ストレートの握りをして、ボールの真ん中にマジックで一周、線を描いてキレイに回転できるようにという感じで」と明かした。「ラクだったんで、走らなくていいし。それがだんだん慣れてきたら、天井に当たるか当たらないかの力加減とか指先の感覚で遊んでいた」という。

 三浦監督は、地元の子どもたちへのメッセージとして、「プロ野球選手に僕はなったが、子供のときからずば抜けて上手かったわけでもなかった。今のプロ野球選手も、一部、子どものころからずば抜けた選手はいたかもしれないが、ほとんどの選手が下手だったと思う。でも野球が好きで、一緒懸命練習して。僕も小学校の頃はチームで一、二を争うくらい足が遅かったし、試合に出ても活躍することは少なかった。練習はしんどかったし、嫌いだったが、でも試合でヒットを1本打った、試合に勝った、とチームと、仲間と喜びを分かち合えたというのが一番の思い出。入ったチームは強くはなかったが、でも弱くてもみんな一生懸命やって、一緒に弁当を食べて、というのが楽しかった。何か一つ楽しみを見つけて頑張ってくれたら」と話した。

 三浦監督の野球人生を紐解く中で避けては通れないエピソードがある。奈良・高田商高時代に野球からも学校からも遠ざかっていた時期だ。

 「ずっと小学校から野球をやって、練習、練習、土日も夏休みもほぼ毎日練習があったので、野球部でない友だちを見ていて、羨ましかった。1年の夏が終わって秋、冬の練習に入りかけた時、ちょっと遊びたいな、と。学校が終わって仮病を使って練習をサボる、それがだんだんと授業も午前中だけ行って帰る、3時間目で帰る、1時間だけ受けて帰る…と。遊びたいという気持ちが爆発した時期で。結局は何も残らなかった。あれだけ遊びたいなと思って遊んだ後に充実感もなかった。あれ?俺こんなことやりたかったのかな?と。結局は啖呵切って『辞める』って部員の前で言った手前、なかなか素直に戻れず、変なところでツッパっていた。それでもホントに真剣になって野球部の仲間や学校の先生たちが引き戻してくれたからこそ、その後、続けられたのかな」。

 オンラインでの対談では亀田市長から集団、組織を引っ張っていくポリシーを訊かれた。「選手とのコミュニケーションも大事だが、コーチ、スタッフとのコミュニケーションもひじょうに大事。いろんな方と日頃から話をしていくのがいいのかな、と。話しやすい環境、現場の意見、いろんな意見を普段から話せるような環境づくりが大事」と語った三浦監督。

 2月1日からのキャンプで自主性を求める部分については、「コーチにも話はするし、しっかりとコミュニケーションをとってやってもらう。全体練習もあるが、個人の練習に特化した日もとってあるので。それ以外で空いている時間をどう使うか。それは選手の時間なので。全体練習の割合を少なくして、その後コーチも付くが、打撃なら打撃に、守備なら守備に特化した日を作ったりということも考えている」と話し、秋季練習でも務めた打撃投手については「機会があれば。手伝いもするし、監督だからと何もしないということではなく、できることはしていきたい。コーチと相談しながら監督として協力できることは。投げられることは投げられるので」との意向を示した。

 また、自身の現役時代のキャンプでは毎年、通算1000球を超えるブルペン投球が定番でもあったが、「僕はキャンプの時にブルペンでの球数で数字ばかりをクローズアップされたが、最初の50球〜100球くらいまでは肩を作るだけでなく、しっかりと自分のバランスとか下半身も作ったりしていた。それが自分のやり方だった。それを今の選手にやれとは思わない。今の選手はいろいろとコンデショニング(担当)とかコーチと相談しながらやってきてもらっているので、そこはコーチと選手が相談しながらしっかりと工夫ができていければ」と現在の投手たちが置かれた環境に合わせた方針も示した。

 オンライン対談では橿原市民へのメッセージとして「”某球団”のファンの方が沢山いらっしゃると思うが、橿原出身ということで横浜DeNAベイスターズも応援してもらえたら。一緒になってプロ野球界を盛り上げていきたい」語りかけた三浦監督。

 DeNAは、その”某球団”=阪神に7年連続で負け越している。一方で、幼少期は阪神ファンでもあった三浦監督は、現役時代通算46勝と阪神戦を最も得意としていた。「現役の頃、よく聞かれたが、どことやるときも同じ気持ちで対戦していたし、メンバーも年々変わっていくから(苦笑)」と話しつつも、「でも甲子園という独特の雰囲気の中で自分を見失わないようにしてほしいな、というのはある。スコアボードを見ながら冷静に今の状況を確認して投げてもらいたいと思う。まあ、僕も現役の最後の方はなかなか阪神には勝てなかった。でもその辺の苦手意識があったわけでもなく、得意だからという意識をもっていたわけでもない。(ただ甲子園では)1本ヒットが出てワーッと盛り上がって、という空気感で変わるから。そこで自分を見失わないようにしてほしい」と自身の経験からのアドバイスも口にした。

 「阪神だけじゃない。全球団。勝つことが重要。勝てるようにしていかないといけない」とまなじりを決した三浦監督。

 キャンプインまであと11日だ。

(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)