◆ 足首の故障から順調に回復しフリー打撃で快音

 2月1日、12球団が全国各地で一斉にキャンプインした。そのなかで昨シーズンの3位から巻き返しを狙う西武は、A班(一軍相当)が宮崎県南郷、B班(二軍相当)は埼玉県所沢でスタート(6日からは高知県春野)を切っている。

 今季はベテランの中村剛也と栗山巧がA班スタートとなった一方で、右足首を痛めて昨季苦しんだ山川穂高はB班スタート。キャンプ前、辻発彦監督は「バッティングで軸足は一番大事なところ。バットを振ることは問題なくできている。ただ、しっかり走れる、しっかり守れるというところになれば、すぐにでも合流してもらえれば」と期待を寄せていた。

 山川本人も今年の自主トレは練習量を減らして調整。キャンプイン前には「70〜80%くらいには(回復している)。開幕に100%で持っていければいい」と順調な調整ぶりを強調してたが、B班キャンプのフリー打撃でも快音を響かせており、リーグ王座と本塁打王の奪還に向けてかかる期待は大きい。

 今シーズンの西武では、栗山巧が球団史上初となる生え抜きとしての「2000安打」達成まで残り「74本」に迫り、大記録達成が間近に迫っている。それに加えて山川にも、貴重な記録の更新に期待がかかる。その記録とは、日本人選手最速の「200本塁打」到達だ。

 山川は昨シーズンまでに通算153本塁打を放っており、節目の200本塁打まであと47本塁打としている。2018年に47本塁打、2019年には43本塁打で2年連続の本塁打王に輝いた実績を持っており、簡単な数字ではないものの、その実力を考えれば射程圏内といってもいいだろう。


◆ 日本人最速は“先輩”秋山と田淵の714試合

 これまでNPBで200本塁打に到達している打者は、1955年にNPB史上初めて達成した藤村富美男から、昨年10月に到達した丸佳浩(巨人)まで109人いる。そのなかで最速は、カブレラ(西武他)の538試合。以下、ブライアント(近鉄他/578試合)、バース(阪神/587試合)、ウッズ(中日他/642試合)と外国人選手が続いていく。

 日本人選手では、共に西武に所属していた経歴を持つ秋山幸二(西武他)と田淵幸一(阪神他)の「714試合」が最速となっており、これはNPBにおいて7位タイ。昨シーズン終了時点で530試合に出場している山川は、今季の143試合を加えても最大673試合となり、秋山と田淵の記録を大幅に更新することになる。

 また、6位のバレンティン(ソフトバンク/707試合)も抜くこととなり、歴代でも6位を上回る。さらに134試合までに到達すれば、5位のペタジーニ(巨人他/664試合)を抜き去ることになる。さすがに難しそうな数字設定ではあるが、到達の可能性はあるだろう。それだけの数字を残していれば当然、チームの成績にも跳ね返ってくるはずだ。

 昨シーズンの西武は自慢の「山賊打線」が低迷し、チーム総得点は2019年のリーグトップからリーグ4位に下落した。開幕延期による調整の難しさに加え、秋山翔吾(現レッズ)の退団は大きな要因のひとつだと考えられるが、この山川や森、中村といった主軸が低調な成績に終わったことも響いたことは間違いない。

 今オフは何も試さずに「一番打ちやすいところに戻した」とのこと。山川はキャンプ前に「足を上げて、ホームランを一番打てるフォームにしている。率は関係なしではないけど、2割8分ぐらいを目指して、ホームランを50本以上、最低でも40本以上打てるようなフォームにしているつもり」と語っていた。

 山川が額面通りの活躍を披露できれば、日本人史上最速となる200本塁打到達に加えて、得点力が大きく上がり、チームのV奪回も見えてくる。今シーズンも山川の一発に注目したい。


▼ NPB200本塁打到達試合ランキング
※所属は達成時<2020年シーズン終了時点>

1位:カブレラ(西武/538試合)
2位:ブライアント(近鉄/578試合)
3位:バース(阪神/587試合)
4位:ウッズ(中日/642試合)
5位:ペタジーニ(巨人/664試合)
6位:バレンティン(ヤクルト/707試合)
7位:田淵幸一(阪神/714試合)※日本人最速
7位:秋山幸二(西武/714試合)※日本人最速

<参考>
・山川穂高(西武)
14年:2本塁打(14試合/30打数)
15年:0本塁打(1試合/1打数)
16年:14本塁打(49試合/139打数)
17年:23本塁打(78試合/242打数)
18年:47本塁打(143試合/541打数)
19年:43本塁打(143試合/524打数)
20年:24本塁打(102試合/322打数)
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通算:153本塁打(530試合/1799打数)