◆ 藤浪の後を受けた「渾身のリリーフ」も絶賛

 絶好調・阪神が6連勝で貯金「10」に到達。

 先発した藤浪晋太郎は6回途中無失点の力投に加え、自ら2ランを放つ大暴れ。今季2勝目は、実に1450日ぶりとなる甲子園での白星となった。




 大ベテランの石川雅規との投げ合いになった藤浪は被安打こそ3本も、与四球3つに死球が2つと走者を背負う展開。

 3回までは四球ひとつの無安打ピッチと好投を見せていたが、4回以降は安打に四死球が混ざり、常にピンチを背負っての投球となる。

 そんな中、0−0で迎えた5回裏。試合は意外な形で動き始める。



 一死から梅野隆太郎が安打で出ると、二死となって藤浪が打席へ。

 この打席中、梅野が盗塁を仕掛けて二死二塁とチャンスメイク。そこから藤浪は低めの誘い球をしっかりと見極め、3ボール・2ストライクのフルカウントに。

 迎えた6球目、ストライクを取りに来た真ん中・やや内寄りの速球をフルスイング。快音が響くと、放たれた放物線はなんと左中間スタンドへ。自身を援護する先制2ランを叩き込んだ。


 直後の6回表、気分良くマウンドへ…と思いきや、先頭の山田哲人にストレートの四球。二死を奪うも塩見泰隆には死球を与えてしまい、一・二塁としたところで矢野燿大監督は継投を決断。小林慶祐をマウンドに送る。

 いきなりピンチでの出番となったが、小林は期待に応えて内川聖一を空振り三振。見事にピンチを脱出すると、小林は次の回の先頭打者まで投げ、そこから岩貞祐太、岩崎優とつなぎ、最後はロベルト・スアレスで逃げ切り勝ち。

 藤浪が叩き出した2点を盤石のリレーで守り抜き、阪神はこれで6連勝。14勝4敗とし、早くも貯金を「10」とした。


 この試合のポイントについて、16日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の真中満氏は“2つの場面”を挙げる。

 まずは5回裏、阪神が先制点を奪うシーン。

 「二死二塁から藤浪が粘るんですよね。ボールを見送ってフルカウントにして、『藤浪は歩かせられないよな』という場面を作る。そこで石川が真ん中にストレートを投げてしまったと。藤浪が見事に打ちましたけど、悔しい失投になってしまいましたね」。

 阪神側から見れば、藤浪がフルカウントまで粘ったこと。ヤクルト側から見れば、投手を相手に苦しい状況を作ってしまったこと。この攻防が勝負を分けるポイントになったと解説した。


 つづけて、その直後の6回表、藤浪がイニング途中で降板したところも試合を左右したポイントであると指摘。

 2点リードの6回表、二死ながら一・二塁となったところでベンチは藤浪の交代を決断。2番手・小林が出てきた場面について、「藤浪が塩見に死球を与えてしまったところで、矢野監督はスパッと小林に代えたんですが、渾身の投球ですよね。ストレートのキレが最高でした」と、その火消しぶりを絶賛した。


 同じく解説を務めた大矢明彦氏も、今季2勝目を挙げた藤浪については「ある程度ボールが荒れるのはしょうがないこと」とし、「少しずつガマンをしながら投げていくこと。去年なんかと比べると本当に良い内容」と今季の進歩について言及。

 完全復活を遂げ、快進撃が止まらない猛虎の柱となるか。藤浪の今後の投球から、目が離せない。


☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』