◆ 30本塁打以上複数回記録の球団トップはバレンティンの8回

 開幕から低空飛行が続いていたヤクルトの山田哲人が調子を上げてきている。4月8日の広島戦から6試合連続安打を記録し、4月14日のDeNA戦では今シーズン初となる1試合2本塁打を記録した。

 現在5本塁打の山田だが、これは143試合に換算すると約38本ペースとなる。このまま順調に本塁打を積み重ねて30本に到達すれば、2019年(35本)以来、自身5度目の大台突破となる。

 30本塁打以上を記録した回数のNPB記録は、「世界の王」こと王貞治(巨人)の19回。2位の野村克也(西武他)と小笠原道大(中日他)の10回を大きく引き離しており、今後破られることはないであろうアンタッチャブルなレコードでもある。

 現役選手に目を向けてみると、トップはバレンティン(ソフトバンク)の8回で日本人選手では中村剛也(西武)の6回が最多となっている。ちなみにヤクルトで30本塁打以上を最も記録しているのは、バレンティンの8回。それに次ぐのが、池山隆寛(現二軍監督)の5回であり、山田は球団2位に肩を並べようとしている。


◆ ヤクルトは日本人選手による複数回の本塁打王獲得者が不在

 そんな山田の4本塁打は、現在セ・リーグ本塁打ランキングで3位タイ。トップを走るチームメートの村上宗隆とは2本差で、自身2度目のタイトルも狙える位置にはつけている。

 調べたところ、ヤクルトでは山田やバレンティンをはじめとして合計9人(12回)が本塁打王のタイトルを獲得しているのだが、そのなかで複数回のタイトル獲得歴があるのはバレンティン(3回)、ペタジーニ(2回)といった外国人選手だけ。日本人選手では、複数回本塁打王を獲得した選手はひとりもいない。

 このめずらしい記録は、12球団で見ると2005年にリーグに加入した楽天と、ヤクルトの2球団のみとなっている。その他の10球団は、日本人選手が本塁打王を複数回獲得しているというわけだ。ヤクルトは本塁打の出やすい神宮球場を本拠地としていながら、本塁打王を複数回獲得するような日本人の大砲はいなかったというのは、少し意外かもしれない。

 昨シーズンオフに山田は、FA権利を行使せず残留を選択。新たに7年の大型契約を結び、自ら主将に立候補した。これは、山田の野球人としての覚悟の表れでもあると思う。

 チームでは、21歳の若き4番・村上宗隆のバットに注目が集まっているが、山田も今年の7月で29歳とまだ若く、年齢的にはいまが全盛期でもおかしくない。コンディションこそベストではないようだが、山田が2度目の本塁打王を獲得するような活躍を見せれば、チームが上位に進出することは間違いないだろう。


【各球団の本塁打王を複数回獲得した日本人選手】
※2リーグ制以降(前身球団含む)

巨:王 貞治(15回)、松井秀喜(3回)、長嶋茂雄(2回)
ソ:野村克也(9回)、門田博光(3回)、松中信彦(2回)
西:中村剛也(6回)、中西太(5回)、山川穂高(2回)
広:山本浩二(4回)、江藤智(2回)
De:青田 昇(3回)、村田修一(2回)
ロ:落合博満(3回)、山内一弘(2回)
オ:長池徳二(3回)
阪:掛布雅之(3回)
中:落合博満(2回)
日:大杉勝男(2回)
ヤ:不在
楽:不在