◆ 前半戦で数々のキャリアハイを更新

 東京オリンピックによる中断期間に入ったプロ野球。ここまでを振り返ってみると、やはりオリックスの躍進が印象的だ。

 開幕当初こそ低迷したものの、セ・パ交流戦で2010年以来11年ぶりの優勝を飾ると、その後のリーグ戦でも勢いは衰えることなく、2014年以来7年振りに前半戦を首位で折り返した。

 その原動力になった選手を見ていくと、山本由伸と宮城大弥ら若い先発投手陣。そして、主軸の吉田正尚や覚醒した杉本裕太郎と名前が次々に挙がってくる。そんな彼らに引けを取らない活躍を見せたのが、高卒7年目の宗佑磨だ。

 宗は前半戦で84試合に出場し、規定打席にも到達。打率.262(271-71)、5本塁打、22打点の成績を残すなど、すでに出場試合数、打席数、安打数ではキャリアハイを更新し、本塁打と打点もキャリアハイに並んでいる。

 また、5月22日のソフトバンク戦から16試合連続安打を記録するなど、5月以降では3試合以上連続で無安打だったことは一度もない。ここまでのシーズン通算45得点は、吉田正の48得点に次ぐチーム2位の数字となっており、安定した出塁がチームの得点の源泉になっていると見ていい。

 小谷野栄一(現野手総合兼打撃コーチ)がレギュラーから外れた2018年以降、なかなか固定できていなかった三塁のポジションがようやく埋まったと言えそうだ。


◆ 生え抜き三塁手のGG受賞者は松永浩美が最後

 宗は打撃だけでなく守備でもチームに大きく貢献している。開幕当初は一塁と三塁のコーナーポジションに加え、中堅、そして右翼を守るなど複数のポジションを転々としていたが、5月2日からは三塁にしっかりと固定された。その三塁ではリーグトップの守備率.974を記録し、失策も4個だけ。他球団の失策数を見ると、松田宣浩(ソフトバンク)は8個、野村佑希(日本ハム)が7個、安田尚憲(ロッテ)が6個となっており、宗の守備力が光る。

 また、守備率や失策数には反映されないが、高い身体能力を生かしたファインプレーを連発し、何度も投手陣を救ってきた。このまま出場を続けることができれば、自身初となるゴールデングラブ賞は確実と言っていいだろう。

 オリックスの三塁手による直近のゴールデングラブ賞受賞者を振り返ってみると、1996年の馬場敏史が最後で、24年間も生まれていない。そして、生え抜き選手では、1990年の松永浩美が最後となり、生え抜きとしてのゴールデングラバーが30年以上も出ていないことになる。

 投打の軸がしっかり働いているオリックスのなかで、宗がこれまでのような存在感を発揮することができれば、チームの戦力は下がることはなく、勢いはさらに増していくだろう。「2番・三塁手」として存在感を示している宗が、オリックス悲願のリーグ優勝に向けたキーマンとなるのか、後半戦の活躍にも注目だ。

<今シーズン成績>
▼ 宗佑磨(オリックス)
84試合 打率.262(271-71) 本5 打点22 盗塁5