◆ 指揮官は痛恨ミスの来田にエール

 オリックスとロッテの首位攻防3連戦の第2ラウンドは、ロッテに軍配が上がった。

 試合開始前から雨が降り続き、一度は止んだものの天気予報は芳しくなく、両チームともに先取点が欲しい中でオリックスの新人・来田涼斗が先制弾を放った。「1番・左翼」で起用された来田は、0-0で迎えた4回にロッテ・二木康太が投じた2球目、138キロの真ん中やや低めの直球を左中間席へ。「なんとか先頭で出て後ろにつないでいこう」という気持ちで放ったチームの初安打が、貴重な先制の2号ソロとなった。

 地元・兵庫の明石商出身の来田は、2年春の選抜大会(2019年)では、「1番・中堅」で出場した準々決勝の智弁和歌山戦で、史上初めて先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を放ち、プロ入り後も一軍昇格した試合で高卒新人初の初打席初球本塁打と、ここ一番に強い強打者。打線の起爆剤として、トップに据えたベンチの期待に応えた。

 しかし、その後の守りで痛恨のミスをしてしまう。1-1で迎えた8回一死、角中勝也の平凡な飛球を捕球できず、打者走者は二塁へ。雨が激しくなっていたといえ、悔やまれる守備だった。この回からマウンドに上がっていた4番手の吉田凌は、続く中村奨吾に四球を与えてピンチを広げると、次打者・マーティンに決勝の3ランを浴びてしまった。

 「やってしまったんで、これだけは消せないことなので、自分でどう思うか。自分ではね返すしかないんで、やってもらいましょう」とプレーは責めず、来田の奮起を求めた中嶋聡監督。過大な期待を背負わせた新人への配慮と、ミスをはね返してこそこの世界で生きていけるというプロの矜持が、言葉に込められていた。


 直接対決で、目まぐるしく順位が入れ替わり、再び2位となったオリックスにとって、明るい材料は先発した山﨑颯一郎の好投だ。6回、102球で3安打、6奪三振、3四球。6回に杉本裕太郎がクッションボールの処理を誤るなどして、ロッテに1点を与えたが、失点はそれだけ。直球で押し、フォークやカーブなどの変化球でカウントを整えるなど安定した投球だった。

 前回先発した8月26日の楽天戦(楽天生命)では、2回5失点で降板。その後、ボールを投げる軌道のズレに気付いて修正したといい、山﨑颯は「先頭打者をしっかりと抑えていこうと意識していたし、前回よりも落ち着いてマウンドに上がることができた。ストレートの指のかかりもよかったし、カーブでもしっかりとカウントをとれていた。まだ、大きく外れてしまうボール球も多くあったので、そこは反省したい」と、反省の弁を述べつつも自信を深めた様子だった。

 中嶋監督も「どんどん自分のボールを投げ込んでいた。前回は全然ダメだったが、(今日は)本当によかった。援護して勝ちを付けてやりたかった」と、高い評価を与えていた。

 重量打線を支えた吉田正尚やT-岡田を欠き、投手陣の奮起に期待がかかるだけに、山﨑颯の好投は敗戦の中での光明だったと言えるだろう。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)


【動画】6回1失点と好投した山﨑颯一郎