◆ 大本命と見られた佐藤輝明が戦線離脱

 9月も後半へと差し掛かり、プロ野球のペナントレースもいよいよ佳境。

 残りの試合も30試合前後となっている中、優勝争いとともに注目を集めるのがタイトルレースである。




 なかでも今季のプロ野球で大きな話題を集めたのが、プロ1年目から見事な結果を残しているルーキーたち。今年は「空前の新人当たり年」という声も聞かれた中、特にセ・リーグの新人王レースは大混戦となっている。

 というのも、前半戦までは阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明がシーズン20本塁打を記録するなど大活躍。新人王も当確か…と見られていた。

 ところが、大本命の佐藤が7月から徐々に調子を落としていくと、8月も月間の打率.222と苦戦。9月は9打席で8三振とさらに低迷し、現在は登録を抹消されてファームで調整を行っている。



 こうなると、佐藤に主役の座を奪われていた他のルーキーたちにも光が当たるようになる。40試合に登板して24セーブ、防御率0.45という圧巻の成績を残している広島・栗林良吏や、佐藤と同じ野手ではDeNAの牧秀悟が打率.282で18本塁打とこちらも奮闘中。両者ともふつうの年であれば新人王に輝いていてもおかしくない成績だ。

 ほかにも、阪神には105試合に出場して打率.276をマークしている中野拓夢もいて、投手では伊藤将司が7勝7敗で防御率2.90と上々の成績。もうひと押しあれば、こちらも候補には入ってくることだろう。


 混沌とするセ・リーグの新人王レース、解説陣はどう見ているのだろうか…?

 18日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した江本孟紀氏は、「佐藤と言いたいところだったけど、佐藤がいま出ていないからね」と、やはり“本命”の離脱について言及。

 そのうえで「僕は栗林(広島)。40試合も投げてこれだけの成績を残しているので。このピッチャーがいなければ、広島はどうなっていたかな…というくらい」と、プロ1年目からチームの救世主となった男を推した。


 一方、同じく番組に出演した達川光男氏は「総裁選のように、今年は票が割れると思いますよ」と時事ネタも絡めつつ、記者投票で1名を決するという新人王の選出方式にも触れながら、複数の候補に票がバラけるのではないかと予想。

 そこで、「僕は奥川(ヤクルト)ですね」とプロ1年目の選手ではなく、高卒2年目の20歳右腕を指名する。

 「いま7勝3敗で来ていて、一旦登録抹消になっていますけど、あと3回か4回くらいは投げられるかなというところ。もし10勝したらどうなるかな…と」とし、今後の上積み次第では一気に有力候補になり得ることを強調する。

 現状ではローテーションの一角に入って回るというよりも間隔を空けながらの登板が続いているだけに、ここから先どれだけ白星を増やせるかという点が大きな焦点となるが、「85.2回を投げて四球が8つ、死球がひとつで計9つですよね。これはすごいですよ」と、達川氏はその制球力を高く評価。

 果たして、このサバイバルレースを制するのは誰になるのか。優勝争いはもちろんのこと、ここからはルーキーたちのバトルにも注目だ。


☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』