DeNA東が一軍に帰ってくる。

 28日の予告先発が発表され、昨年2月に左肘の内側側副靭帯の再建手術(トミー・ジョン手術)を受けた東克樹投手がヤクルト戦(神宮球場)の先発で一軍復帰を果たすことになった。

 19年8月23日の巨人戦(東京ドーム)以来、実に2年ぶりの一軍登板だ。登板前日の27日、オンライン取材に応じた東は、「一軍というのは素晴らしい場所。ここでやってこそのプロ野球選手だと思うので、嬉しいというか、本当にやってやるぞという強い気持ちが湧いてきました」と復帰への喜びを口にした。

 昨年2月5日に手術を受けた後、4か月間ノースロー。地道なトレーニングを続け、神奈川県横須賀市内の2軍施設「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」でネットスローを始めたのは昨年6月だった。「これは本当に投げることができるのかな、と。最初の1球目はそう思いました」と当時を振り返った東。

 ノースローの時期も含め、1年5か月という長いリハビリ期間だった。その間、体重は大きく変わらなかったものの、体脂肪は減り、筋量は上がった。「地道なトレーニングが続いていた中でそういった数値として表れたのは僕にとっていいモチベーションにもなりましたし、周りから『身体つきが変わったね』と言われて、やってきた甲斐があったと。投げるときの下半身の安定感が一番感じるところ。ボール自体はまだ理想に近づいている段階なので。これからまだ伸びしろがあるな、と思っています」。

 今年7月11日にイースタンリーグ・ロッテ戦(バッティングパレス相石ひらつか)で実戦復帰し、二軍戦計7試合に登板、4勝1敗防御率1.95。「今シーズン中に投げることが目標の一つではあった。そういった意味では良かったのかな」。今月20日の日本ハム戦では7回1/3、103球と投球イニングを伸ばし、球数も増やして一軍復帰へと漕ぎつけた。

 「僕にとってはやっぱり田中健二朗さんがすごく大きな存在だった」と東は話す。田中健二朗投手は、東より半年前の19年8月に同じ手術を受け、リハビリを続けていた。「チームの中で僕だけがトミー・ジョン手術をしていたら辛かったと思う。健二朗さんがいてくれたことで、いろいろ話をすることができた。進捗状況、身体のコンディションだったり、いろんなことを話せたので、それは救いになりました」という。

 「(手術を受けることに)僕は前向きな姿勢で捉えることができていたのかなと思います。パワーアップして帰ってくることを目標にして手術の決断をしたので。復帰できない、野球をすることができない、という気持ちになることはなかったです。健二朗さんの姿が大きいのかなと思います。投げられてる姿を見ると、僕も、となるので。本当に大きい存在だったなと」。長いリハビリ期間中、心の支えとなった先輩左腕に東は感謝した。

 その田中健二朗は、先に今月12日の阪神戦(横浜スタジアム)で1軍復帰を果たした。「正直なところ、すごく泣きそうになったというか。感動しましたね。近くで見ていたので」と振り返った東。「僕も早くあのマウンドで投げたいなという気持ちが強くなりました。楽しみと緊張、今のところは半々ですね。あした神宮球場に着いてから緊張の方が勝ってくるんじゃないかなと。健二朗さんも緊張でふわふわしていたと言っていたので、僕もきっとそうなるんじゃないかな、とは思っています」といよいよ実現する一軍復帰のマウンドへ思いを巡らせた。

 ただ、現在チームは6連敗中。復帰戦の相手は8連勝中の首位・ヤクルトだ。「チームが連敗している中でカードの初戦を迎えるにあたって、この1週間のチームの流れを決める大事な一試合になると思うので、チームに勢いをつけられるように、全力で投球していきたい」という東。「やっぱりヤクルト打線のキーマンになってくる選手だと思うので。相手も8連勝中ですし、流れがすごくいいと思うので。それを止めるといった意味でも村上選手を抑えていきたい」と相手主砲の名を挙げた。

 「長かったような早かったような、あっという間の期間。僕にとっては必要な時間だったんじゃないかと。約2年間やってきたことを結果として出せたら一番いいかなと思います」。乗り越えた先に見えた光を掴む。18年新人王左腕は穏やかか口調で語りながら、まなじりを決した。

(取材・ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)