◆ 初のポストシーズンを前に

 高卒2年目の今季、13勝(4敗)で、オリックスの25年ぶり優勝に大きく貢献した宮城大弥。CSファイナルステージや、その先に見据える日本シリーズでの活躍が期待される左腕は、初めて経験するCSを前に「疲れはとれ、調子の良さは維持できている」と自信を見せた。

 優勝から1週間。「初めてなのでうれしいが、どううれしいのかはっきりとは分からない状態。フワフワしているという感じに近い」と、まだ実感はわかないという。

 「何日かで決まってしまうので、全力でいくことしかわかっていない。どういう状況になるのかわからないので、どんな状況になってもパニックにならないようにしたい」と、初めてのマウンドでもいつも通りに周りを見て、冷静に対処することが重要になると自覚している。

 短期決戦については「出来れば、負けても次があるという(シーズンのような)考えの方が、1回勝負よりは楽かな」という。チームで数少ないCS経験者の能見篤史兼任コーチや、平野佳寿らには、まだCSに臨む心構えなどは聞いていないそうだが、「能見さんが『準備が大事』と話している記事を見てそう思い、練習でもケガをしないことを一番、意識しながらやっている」と、自分なりに解釈して練習に取り組んでいる。

 試合結果次第では、CSファイナルステージや日本シリーズで、高卒2年目の同期、佐々木朗希(ロッテ)や奥川恭伸(ヤクルト)、及川雅貴(阪神)らとの対戦も予想される。

 負けたくないかと思えば「(対戦したいとは)思わないです」とポツリ。「佐々木朗希君に、1回投げ合ってコテンパンにやられているので」と、10月14日の京セラドーム大阪での投げ合いを理由に挙げた。この日は佐々木朗と投げ合い、宮城は5回を投げて8安打5失点で敗戦投手に。一方、佐々木朗は3勝目を挙げ、ロッテに優勝マジックが点灯した。

 それでも、同期の活躍は刺激になる。「自分自身の勉強になるし、いろんなことを学んでいきたい」と語り、「映像で流れる情報は結構見ている。及川君は同じ左だが、僕にはない、しなやかさがあってうらやましいなと思って見ている」と、シーズン中から大いに刺激は受けていたようだ。

 8月21日に11勝目を挙げてから1カ月以上も勝ちに見放された宮城。悩み続けて導き出したのは「打たれたら打者の方が上。抑えたら打者の打ち損じ」というシンプルな思考だった。勝ち星は増やせなかったが、悩んだ末につかんだものは、宮城のさらなる飛躍につながることだろう。

 成長ぶりは、次の大舞台で証明する。


文・写真=北野正樹(きたの・まさき)