◆ 不振に喘いでいたオスナが貴重な一打

 21日に京セラドーム大阪で行われた「SMBC日本シリーズ2021」は、ヤクルトが投手戦となった第2戦を2−0で制し1勝1敗のタイに持ち込んだ。高橋奎二は9回133球の熱投でプロ初完投初完封。23日に東京ドームで開催される第3戦へ向けて弾みをつける白星を手にした。

 ヤクルトはオリックスの先発・宮城大弥の前に6回一死まで打者16人連続アウトのパーフェクトに抑え込まれ、好投する高橋をなかなか援護できずにいたが、8回に2番・青木宣親の中前適時打で先制すると、9回にも二死二塁から7番・オスナの右前安打を右翼手・杉本裕太郎がファンブルする間に貴重な追加点を挙げ、オリックスを突き放した。

 21日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した達川光男さんは、ヤクルトが2点目を奪った9回表の攻撃に注目。一死一塁から二死にしてまでも6番・中村悠平に送りバントを命じたヤクルトベンチの采配を解説した。

 達川さんは「『1点欲しいときの犠打は1本のヒットより優れり』というようなことを野村(克也)さんが仰ってたことがある。1本のヒットに優るわけはないんですよ。しかしね、オスナにとっては『当たってない俺に期待してくれているのか』と…。この喜びを見てください」と9回表の得点シーンを振り返り、中村の犠打がシーズン終盤から不振で打順を落としていたオスナの奮起にもつながったと説明。

 オスナの一打で追加点を奪った際は、塁上のオスナのみならずベンチも大盛り上がりで、「一死あげてまでバントするということは、何が何でもベンチで1点とるぞと。これ(中村が)ヒットで繋いでいたら、こんなに盛り上がらないと思う」と、戦術面以外にも大きな意味を持つバントだったとの見解を示した。

 また、同じく番組に出演した元ヤクルト監督の真中満さんは「ダブルプレーで中村が終わるよりは二死二塁の形をつくって攻めたほうがいいと思った」と、状況からしても併殺を回避することができる有効な作戦だったと話し、仮に9回表が無得点に終わっていたとしても中村のバントが9回裏の守りへ繋がるものだったと強調。

 達川さんはこの見方に同調しつつ、「逆にオリックスは(1点ビハインドの)8回に安達が出たあとに福田が何もしないで右飛に終わりましたよね。この辺が今日は両監督の動きがちょっと違ったなと感じた」と、終盤の采配の違いが結果的に2点差を生んだと話していた。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』