◆ OPS.874はグラシアルを凌ぎチームトップ

 パ・リーグで楽天と首位争いを演じているソフトバンクのなかで、三森大貴が好調を維持している。下半身の張りで欠場した試合はあったものの、ここまでの24試合で20試合に1番打者で出場。打率.316(79-25)はリーグ5位と大健闘だ。

 1番打者として重要視される出塁率もパ・リーグ7位の「.393」と高水準にあり、他5球団の1番打者と比べても西川遥輝(楽天/出塁率.473)に次ぐ好成績である。また、チームトップタイの3本塁打を放つなど、一発を打てるパワーもあり、出塁率と長打率から導き出されるOPSは.874と高い。これはジュリスベル・グラシアル(.737)を上回るチームトップの数字でもある。

 今季からチームの指揮をとる藤本博史監督は、春季キャンプから三森に対する叱咤激励のコメントを多く発してきたが、現時点ではリードオフマンとしてその期待に応えているといっていいだろう。

 そんな三森は、高卒6年目の23歳でプロ初本塁打も4月5日に放ったばかり。昨シーズンの86試合、打率.249(329-82)がキャリアハイとなっており、年間を通じて一軍で過ごしたことはない。

 まずは、このままシーズンを走り切ることが、本人にとってもチームにとっても重要だ。藤本監督もそう考えているからこそ、コンディション不良時に無理をさせなかったのではないか。スタメン復帰後、本職の二塁ではなく指名打者および一塁で起用したのもコンディションに配慮したからだろう。


◆ 年間100試合以上「1番」で先発起用されたのは…

 常勝軍団であるソフトバンクだが、近年は1番打者をなかなか固定できなかった。昨シーズンの1番打者を見ても、三森が51試合、周東佑京が37試合、牧原大成が33試合と3人が30試合以上でスタメン起用されている。周東も牧原も故障離脱があり、定位置を掴み取れなかった。

 シーズンで100試合以上にわたり1番を務めた選手は、なんと2013年の中村晃(101試合)まで遡らなければならない。つまり7年間も確固たるリードオフマンがいなかったわけだ。これはパ・リーグのなかで最長のブランク期間でもあり、三森はまさにチームにとって待望のリードオフマンなのだ。

 左肩の負傷で離脱していた柳田悠岐が4月26日にスタメンに復帰し、グラシアルもようやく調子を上げてきた。巧打者の中村晃も打率.280(75-21)、出塁率.400と健在だ。「1番・三森」がこのまま機能し続ければ、ソフトバンクのさらなる得点力アップも期待できるだろう。


※数字は4月26日終了時点


▼ 三森大貴 2022年シーズン成績
24試合 打率.316(79-25) 3本塁打 12打点
出塁率.393 長打率.481 OPS.874

▼ 中村 晃 2013年シーズン成績
109試合 打率.307 5本塁打 44打点
出塁率.392 長打率.403 OPS.795