◆ 「固め打ち」名人は…?

 『侍ジャパンシリーズ2022』も終わり、いよいよ本格的なオフシーズンに突入したプロ野球。

 大きな注目を集めた三冠王・村上宗隆は主砲として3試合に出場し、全試合で本塁打をマーク。巨人戦では2打席連続で本塁打を放ち、オーストラリア戦では3打数2安打・1本塁打。さすがの存在感を見せつけた。




 打率・本塁打・打点・出塁率の4つのタイトルを獲得した今季の村上だったが、安打数ではリーグ4位タイという成績に終わった。

 大きな要因としては「四球」が挙げられ、村上が選んだ四球の数はリーグ断トツの118個。2位の丸佳浩(巨人)が80個だから、どれだけズバ抜けていたかがよく分かる。

 そんな中で安打数もトップと6本差だったことを考えれば、打てるチャンスできっちりと打ってきたということ。そこで今回は“固め打ち”に着目。セ・パ両リーグの「マルチ安打」の数を調べてランキングにしてみた。


◆ 2022年「マルチ安打」ランキング

▼ セ・リーグ
1位 岡林勇希(中日)
50回/142試合

2位 佐野恵太(DeNA)
49回/133試合

3位 村上宗隆(ヤクルト)
45回/141試合

3位 坂倉将吾(広島)
45回/143試合

5位 大島洋平(中日)
44回/109試合

6位 吉川尚輝(巨人)
43回/132試合

6位 牧秀悟(DeNA)
43回/135試合

8位 塩見泰隆(ヤクルト)
40回/130試合

8位 近本光司(阪神)
40回/132試合

8位 中野拓夢(阪神)
40回/135試合


▼ パ・リーグ
1位 吉田正尚(オリックス)
45回/119試合

2位 島内宏明(楽天)
42回/142試合

3位 髙部瑛斗(ロッテ)
40回/137試合

4位 松本剛(日本ハム)
39回/117試合

5位 今宮健太(ソフトバンク)
38回/130試合

6位 牧原大成(ソフトバンク)
34回/120試合

7位 宗佑磨(オリックス)
33回/130試合

7位 中村奨吾(ロッテ)
33回/138試合

9位 中川圭太(オリックス)
32回/110試合

9位 福田周平(オリックス)
32回/118試合


◆ 特徴的な大島洋平と松本剛

 50回のマルチ安打を記録して、12球団トップに立ったのは岡林勇希(中日)。昨季までわずか30試合の出場にとどまっていながら、今季は佐野恵太(DeNA)と並んで最多安打のタイトルを獲得した20歳の新星だ。

 一方、パ・リーグを制したのは対照的にいわずと知れたヒットメーカー・吉田正尚(オリックス)。メジャー挑戦の意向を明らかにしているが、果たして来季はメジャーで安打を量産することになるのだろうか。


 ランキングのなかで異彩を放っているのが、大島洋平(中日)だ。

 セ・リーグ5位である44回のマルチ安打を記録しながら、ケガの影響もあって出場試合数はわずか109試合。大島には固め打ちの傾向があるのだろう。

 事実、今季の大島は「1試合4安打以上」を4度も記録。この数字は両リーグ最多タイだ。なお、大島と並んで4度の「1試合4安打以上」を記録したのは、松本剛(日本ハム)。出場試合数も大島ほどではないものの117試合と比較的少なく、やはり固め打ちの傾向が強いといえる。

 また、目につくのがオリックスの選手の多さだ。パ・リーグのベストテンには吉田ら4人がランクイン。今季のオリックスの強さは投手力にあったと見られがちだが、チーム打率はソフトバンクに続くリーグ2位。その打力もあってのリーグ連覇、日本一だったのだろう。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)