14日に2022年度の三井ゴールデン・グラブ賞の受賞選手が発表され、ロッテからは髙部瑛斗外野手が初受賞を果たした。

 髙部は球団を通じて「プロ入りの時からずっと目指してきた賞ですので、皆様に選んでいただき受賞することが出来てとても嬉しいです。これからもこの賞を受賞できる選手になるためにしっかりと練習に精進して取り組んでいきます」とコメントした。


◆ 佐藤、松川が好守備

 今季はゴールデン・グラブ賞を受賞したのは髙部のみだったが、今季も随所にロッテの選手たちの好守備が光った。

 捕手では高卒1年目ながら76試合でマスクを被った松川虎生が4月23日のオリックス戦、2−1の10回無死一、三塁で、益田直也が1ボールから紅林弘太郎に投じた2球目低めのカットボールを前に弾いてしまうも、スタートを切った一塁走者・佐野皓大を素早い動きで二塁へ送球しタッチアウトにした。

 6月26日のオリックス戦では1−0の3回無死一塁から伏見寅威のキャッチャー前の送りバントを二塁へ送球しアウトにすれば、同日の試合で2−2の8回一死三塁から福田周平の空振り三振(ファウルチップ)で飛び出した三塁走者の小田裕也を刺そうと三塁へ送球し三塁タッチアウトにした。

 佐藤都志也は捕手でチーム最多の84試合でマスクを被り、ゴールデン・グラブ賞の有資格となる71試合に届いていないが、一塁でも50試合に出場。佐藤は捕手でリーグトップの盗塁阻止率を誇り、一塁の守備では4月1日の西武戦で2度、素早いバント処理で三塁へ送球しフォースアウトにしたこともあった。


◆ 安田の成長、中村の気合の入った守備

 内野手では、三塁手・安田尚憲が守備で成長した姿を見せた。4月1日の西武戦で森友哉が放った三遊間の鋭いゴロをダイビングで捕球し素早く一塁に送球しアウトにすれば、7月30日のオリックス戦では紅林が放った三遊間の打球に、後ろに下がって捕球し反転して一塁へ送球してアウトにした。8月16日のオリックス戦では吉田正尚が放った三遊間への難しいバウンドをうまくすくい上げ一塁に送球しアウトに。

 得票数を見れば、ゴールデン・グラブ賞を受賞した宗佑磨(オリックス)の189票に対して安田は58票だったが、筆者としてはもう少し安田に票数があってもよかったのではないかと感じるほど、特にシーズン中盤以降は安定していた。

 2年連続ゴールデン・グラブ賞とはならなかったが二塁手・中村奨吾は、守備で何度も投手陣、そしてチームのピンチを救った。5月11日の楽天戦では3−0の7回一死一塁から炭谷銀仁朗が放った一、二塁間のゴロに追いつき難しい体勢で二塁へ送球し、4−6−3のダブルプレーを完成させれば、7月18日のソフトバンク戦では谷川原健太のセンター前に抜けていきそうな打球をダイビングキャッチし座ったまま一塁へ送球しアウトにする超スーパープレー。

 筆者が個人的に印象に残っているのが、8月4日の楽天戦。0−10の4回無死走者なしで岡島豪郎が二塁ベース付近にはなった打球を逆シングルでキャッチし一塁へジャンピングスローでアウトにした守備は見事。10点ビハインドという展開でも、気合の入った姿勢は素晴らしかった。

 ゴールデン・グラブ賞の有資格となる71試合に届いていないが、三木亮は今季も一塁で16試合、二塁で4試合、三塁で21試合、遊撃で6試合と、4年連続で内野の全ポジションで出場。スタメン出場した5月1日の日本ハム戦で1試合2失策ということがあったが、途中出場した試合での失策は0。これは20年から3年連続で継続中の記録だ。今季は若い選手たちが最後までゲームに出場することが多く、守備固めでの出場は減ったが、試合終盤のミスが許されない場面で無失策というのはさすがだ。


◆ フェンス際に強い荻野

 外野手はゴールデン・グラブ賞を受賞した髙部をはじめ、荻野貴司、岡大海、藤原恭大、和田康士朗など俊足を活かした広い守備範囲、そしてケガを怖れぬフェンス際でのガッツ溢れるプレーで何度も投手陣を助けた。

 フェンス際での守備と言えば、荻野だろう。7月6日の日本ハム戦、近藤健介が放ったレフトフェンス付近のあたり、フェンスにぶつかりながら好捕し、8月7日の西武戦では呉念庭のレフトライン際の打球をフェンスに激突しながらランニングキャッチ。さらに8月24日の西武戦では源田壮亮が放ったレフト線に切れる打球に対し、フェンスを怖がらずにキャッチした。

 岡はレフト、センター、ライトと3つのポジションを高いレベルでこなした。3月25日の楽天戦では左中間の飛球をセンター・岡がスライディングキャッチすれば、8月14日の日本ハム戦ではライト後方の飛球をスライディングキャッチする超美技。

 外野の守備で、今年忘れてはならないのが、福田秀平の魂の守備だろう。8月24日の西武戦、2−2の7回無死一塁で森がライトフェンス際に放ったあたりをライト・福田がフェンスに激突しキャッチ。起き上がれなかったが、すぐにセンターの髙部にボールを投げ、ボールを受けた髙部が中継の二塁・中村に送球。二塁を狙った一塁走者を刺そうと中村はセカンドベースに入ったショート・小川に送球しダブルプレー完成させた。当時チームが停滞していた中で、再び勢いを与える好守備だった。

 一部の選手のみの紹介となったが、この他にも素晴らしい守備はたくさんあった。当然、来季に向けての課題もある。今年はロッテからゴールデン・グラブ賞を受賞した選手が1人だったが、来年は複数の選手が受賞するような“鉄壁な守備陣”を作っていきたいところだ。

▼ 三井ゴールデン・グラブ賞有資格者
<投手>
小島和哉
東條大樹
益田直也
ゲレーロ

※投球回数143以上
※試合数47以上

<捕手>
佐藤都志也
松川虎生

<一塁手>
なし

<二塁手>
中村奨吾

<三塁手>
安田尚憲

<外野手>
髙部瑛斗
岡 大海
荻野貴司

※試合数71以上

文=岩下雄太