「リハビリで2年間投げられていない。充実した1年というのはもちろん良いと思いますし、復帰したからには一軍で投げ切りたい」。

 シーズン開幕前の3月のオンライン取材でこのように話していたロッテの西野勇士は、新型コロナウイルス陽性判定を受け離脱した時期はあったものの、37試合に登板して3勝3敗15ホールド、防御率1.73という成績を残した。

 西野は14年から3年連続20セーブを挙げたが、17年と18年はファームで過ごす時間が長くなった。それでも19年に先発、リリーフでフル回転の活躍で復活。20年も先発ローテーション入りへ向けて好投を続けていたなかで、開幕直後の20年6月29日に『右肘側副じん帯の手術』を受けた。

 長いリハビリを経て21年9月29日の巨人三軍との練習試合で実戦復帰をすると、同年のフェニックス・リーグでも5試合に登板した。「普通に投げて、みんなと争っているという感覚です。(戦いの場に戻ってきた感じ)ですね。どちらかというとそんな感じです」。3月1日のオリックスとのオープン戦で、20年6月10日の中日戦以来となる実戦登板を果たす。「スライダーに関してはずっと前からいつでも投げられると思っていたし、感覚的にも確立しているところがある」と、同日に投じた10球中8球がストレート、2球がカーブでフォークとスライダーを投じなかった。

 3月12日の西武とのオープン戦で、約2年ぶりにZOZOマリンスタジアムのマウンドに上がるなど、オープン戦は5試合・5イニングを投げ2失点に抑え、開幕一軍の切符を掴んだ。

 3月27日の楽天戦、1−3の7回に19年9月21日のオリックス戦以来となる一軍の公式戦のマウンドに上がり、先頭の和田恋に1ボール2ストライクから投じた外角の145キロストレートで見逃し三振に仕留めるなど、1回を無失点に抑えた。3月29日のソフトバンク戦で今季初黒星を喫したが、4月5日の日本ハム戦では2−0の9回に登板し、近藤健介にカーブをレフト前に弾き返されるも後続をきっちりと打ち取り、19年7月7日の西武戦以来となるホールドをマーク。4月12日のソフトバンク戦では、0−0の8回に登板し1回を無失点に抑えると、直後の9回表にレアード、山口航輝の適時打で3点を挙げ、19年9月7日のソフトバンク戦以来となる白星を手にした。

 開幕直後の西野はゲレーロと共に勝ち試合の8回を担当。また、右肘トミー・ジョン手術明けということもあったのか、前半戦は連投が1度もなく、しっかりと登板間隔をあけてマウンドに上がり、開幕直後の3月30日のソフトバンク戦、4月6日の日本ハム戦など登板した翌日はベンチから外れるということもあった。

 5月21日に特例2022で登録抹消となり、同月25日に一軍再登録されたが、以降は勝ち試合でも先発投手がイニング途中でマウンドを降りた6回、勝ち試合だけでなくビハインドゲームでの登板も多かった。

 7月27日に新型コロナ陽性判定を受け離脱すると、8月14日のヤクルトとの二軍戦で実戦復帰し、8月19日、20日の日本ハムとの二軍戦ではトミー・ジョン手術後初めて連投。8月23日に一軍復帰すると、23日、24日の西武戦で連投し、24日の西武戦ではオグレディの初球にボールとなったが150キロを計測した。

 9月12日の日本ハム戦では唐川侑己が連投でベンチ外だったため、3−0の8回に登板すると、優勝争い、クライマックス・シリーズ進出争いが熾烈になった9月は登板数が増加。9月12日の週は1週間に4試合に登板するなど、9月は11試合・10回2/3を投げて2勝1敗4ホールド、防御率0.84と安定した投球を見せた。

 また8月以降はストレートの球速が150キロ以上を計測する試合が増え、9月26日のソフトバンク戦では甲斐拓也に投じた初球、2ボール2ストライクから投じた5球目に最速152キロをマーク。

 来季に向けて、さらに期待が持てる投球内容で今季を終えた。振り返れば、今季の開幕前の取材で、「どちらかといえば上で投げることが第一。まずはそこがあって、どこを任されるかだと思う。どこを任されても上で投げられるのであれば、全うしていく気持ちではあります」と話していたが、その役割を果たしたといっていいだろう。

▼ 西野勇士の今季投球成績
37試 3勝3敗15H 防1.73

文=岩下雄太