◆ データで振り返る!メジャー日本人選手の2022年:第5回・菊池雄星

 渡米から早4年。シアトルで最初の3シーズンを過ごした菊池雄星は、メジャー4年目を30球団で唯一カナダに本拠地を構えるトロントで過ごした。

 マリナーズ時代は好不調の波が激しく、相手打線を支配することも時にあったが、不安定な投球を露呈する試合の方が圧倒的に多かった。


 移籍で心機一転、大きな変化も期待されたが、ブルージェイズでも制球難は変わらなかった。

 4月は4試合・14回2/3に投げて13四球を与え、4回を投げ切ったのは4試合中わずか1試合という体たらく。5月に入ってからはやや本来の投球を取り戻し、5試合に投げて2勝0敗。防御率は4月末時点の5.52から5月末時点では3.48まで良化していた。

 しかし、6月以降は制球を乱す試合こそ少なかったが、相手打線に打ち込まれるシーンが増えた。7月上旬には首痛で負傷者リスト入り。7月下旬に復帰するも投球は不安定なままで、結局8月中旬以降はブルベンに回り、主に敗戦処理を担った。

 先発時と救援時の防御率はそれぞれ5.25と4.91。数字に大きな差はなかったが、シーズン最終盤には4試合連続無失点と好投し、ポストシーズンでは登板こそなかったものの、ロースター入りを果たしたのは大きな収穫といえるかもしれない。


◆ 新ルールが障壁に?

 そんな菊池の成績を詳しく見ると、シアトル時代と大きく変わった点がいくつかあった。最も顕著だったのは「投球間隔別成績」だ。

 マリナーズでの3シーズンでは、中4日より中5日、中5日より中6日と間隔が空いた方が打ち込まれていた。ところが、ブルージェイズでは中4日時が6.82、中5日時は4.58で、中6日以上の時は3.78と、間隔が空けば空くほど好投していたのだ(※成績は先発登板時のみ)。

 傾向が逆転した理由は定かではないが、年齢的に“勤続疲労”の可能性も考えられそう。そういう意味では、シーズン終盤に投球回数が抑えられるリリーフに回ったのはプラスに転じるかもしれない。


 しかし、来季に向けては大きな課題も立ちはだかる。それが新ルールとして適用される「極端な守備シフトの制限」だ。

 今季の菊池は味方守備陣がシフトを敷いた時の被打率が.261とまずまずだったが、シフトなしの時は.380。つまり守備シフトにかなり助けられていたことになる。

 当然、メジャーの投手全体にいえることだが、菊池に関しても今季までなら打ち取っていた当たりが安打になるケースは増えることになるだろう。

 来季がブルージェイズと結んだ3年契約の2年目。再び先発ローテを担うためには、スプリングトレーニングで猛アピールをして勝ち取らなければいけない立場にある。自らの力でローテーションに返り咲くことはできるだろうか。


文=八木遊(やぎ・ゆう)