◆ リーグ制覇も打撃面では苦戦

 26年ぶりの日本一に輝いたオリックスが、連覇に向けて大きな補強を敢行した。

 西武からFA宣言していた森友哉を獲得。11月26日には入団会見を行い、背番号4の新ユニフォーム姿をお披露目した。


 今季のオリックスといえば大逆転でリーグ連覇を果たし、日本一へと登り詰めたのだが、その中身に目を向けると決して順風満帆でなかったことが見て取れる。

 なかでも苦戦を強いられたのが打撃面。チーム打率.246こそリーグ2位だったものの、490得点はリーグ4位、89本塁打はリーグワーストであった。

 そのうえ、今オフにはチームの大黒柱である吉田正尚のポスティング移籍を容認。現時点で来季の構想に入れることは難しく、打線の補強は必須となっていた。


 今季の森は指の骨折の影響もあって規定打席には届かず、打率.251(366−92)で8本塁打と物足りない成績に終わったが、2019年には23本塁打を放ち、首位打者のタイトルも獲得している実力者。27歳と年齢的にもまだまだ若く、9年間通算で打率.289(3147−909)・102本塁打は捕手として文句のつけようのない成績だと言っていい。

 森の加入により、このまま吉田が海を渡っても、その穴を最小限に食い止めることができるだろう。来季のオリックス打線において欠かせない存在となることは間違いない。


◆ 今季は4人の捕手を併用したオリックス

 一方で、注目が集まるのが起用法。森が「打てる捕手」として球界トップクラスの資質を持っているのは誰しもが認めるところであり、オリックスでも当然ながら捕手での起用が基本線となることだろう。

 しかし、近年のオリックスは捕手を併用して戦ってきたチームである。今季も伏見寅威(66試合)と若月健矢(52試合)の2名を軸に、頓宮裕真(22試合)と福永奨(3試合)を加えた計4名がスタメンでマスクを被っている。

 捕手の併用は今季に限った話ではなく、それを裏付けるように、シーズン規定打席に到達したオリックスの捕手は2013年の伊藤光(現・DeNA)が最後になる。


 このオフに伏見がFAで日本ハムへと移籍。そして若月も、順調に行けば来季中にFA権を取得する見込みとなっている。もし森の加入で出場機会が減ることになれば、若月が出場機会を求めて移籍する可能性というのも否定はできないだろう。

 そうなれば森を捕手と指名打者で併用しながら若月の出番も確保するというのが理想だが、それはそれで外国人選手の起用にも制約がかかってくる。こうした運用が来季のオリックスの大きなポイントとなりそうだ。

 今季143試合で141通りの先発オーダーを組み、試合の中でも相手の意表を突く作戦を仕掛けることで「ナカジマジック」とも称された中嶋監督の采配。チームの勝利と将来を考えたうえで、新加入の森をどう起用していくのか。楽しみに3月31日の開幕を待ちたい。


文=BASEBALLKING編集部