ロッテは昨季チーム打率リーグ5位の.231で、チーム内(規定打席到達者)の打率トップは.274の髙部瑛斗と3割打者がいなかった。

 四死球を選んで、1本の安打で“1つ先の塁を狙った走塁”を狙う攻撃が持ち味で、チーム打率が低くても、チーム盗塁数はリーグトップの132盗塁、チーム四球数はリーグ2位の433個、チーム得点はリーグ3位の501得点だった。得点力アップもそうだが、1本の安打で1つ先の塁を狙う走塁が浸透しているロッテにおいて、安打数が増えればチャンスメイク、得点はさらに増えていくはずだ。

 直近5年のチーム内での3割打者はというと、19年にリーグ3位の打率.315をマークした荻野貴司1人だけ。荻野は21年に、打率3割に届かなかったが、最多安打のタイトルを獲得。左打者に関しては16年に首位打者に輝いた角中勝也を最後に、チーム内で3割打者が生まれていない。それどころか打率2割8分を超えた左打者は、19年に.288をマークした鈴木大地(現楽天)のみ。20年以降の左打者のチーム最高打率は、20年がマーティンの.234、21年が藤岡裕大の.255、22年が髙部瑛斗の.274と寂しい。

 右打者も荻野貴司が19年に.315を放っているが、2割8分以上放った打者は18年の井上晴哉(.292)と中村奨吾(.284)、21年の荻野(.296)と中村(.283)の3人。ここ数年、コンスタントに率を残せる打者が荻野、中村の後に名前が出てこないのが現状だ。

▼ 直近5年のチーム3割打者
18年:なし
19年:.315 荻野貴司
20年:なし
21年:なし
22年:なし

▼ 直近5年の左打者のチーム最高打率
18年:.266 鈴木大地
19年:.288 鈴木大地
20年:.234 マーティン
21年:.255 藤岡裕大
22年:.274 髙部瑛斗

 3割を打てそうな打者が全くいないわけではない。昨季リーグ2位の148安打を放った髙部は早ければ今季にも打率3割をクリアできそうなポテンシャルを持っている。

 プロ入りから2年間はファームで打率3割をクリアしながらも一軍の壁を破ることができずにいたが、3年目の昨季はオープン戦で12球団トップの打率をマーク。開幕してから月間打率3割を記録した月はなかったが、5月(.284)、7月(.282)、9月(.289)は月間打率2割8分を超えた。

 チーム別では日本ハム(.330)、オリックス(.314)、西武(.300)とパ・リーグの3球団から3割以上打ち、ソフトバンク戦も.281だった。ただ楽天戦は.168と苦戦。田中将大には.091(22−2)とほぼ完璧に抑え込まれた。交流戦も.235と、楽天戦と交流戦でも2割8分以上打てれば十分に3割達成も見込める。

 髙部本人も昨年9月に行った取材で「ヒットを打ちたいというのは、野球を始めたときから思っている。出塁率もそうなんですけど、なるべく高い打率を残したい気持ちがあります」と話している。

 球団としては荻野以来4年ぶり、左打者では角中以来7年ぶりに打率3割をクリアできるか注目だ。

文=岩下雄太