2015年に記録した自己最速の157キロは左腕の日本最速記録を誇る。菊池雄星はチームのみならず、日本球界の中でも屈指の「速球王」と言っても過言ではない。

 花巻東高時代、すでに最速154キロをマークし、世間から脚光を浴びてきた。それだけに本人の球速に対する意識は、もともと非常に高い。もちろん投手にとっては勝利が最優先。重ねて、今季はエースという立場もあるため、スピードだけに固執したことはない。それでも、やはり「速い球を投げたいというのは、投手だったらみんなが思うことだと思います」と言う。

 以前、「一度、なってみたい選手は?」という質問にも169.1キロのギネス記録を持つ世界最速左腕アロルディス・チャップマン(ヤンキース)の名を挙げていたほどだ。

「170キロの世界って、どんな感じなんでしょうね。楽しいだろうなと思いますよね」

 異次元とも言える世界最速には及ばずとも、自身の持つ左腕日本最速を更新する可能性が今季の菊池には十分ある。常に相手のエース級投手との投げ合いを余儀なくされる中、6月8日現在、6勝2敗、防御率は1.38でリーグトップ。気力も結果も充実している。

 また、昨季固まった投球フォームがさらにしっかりと身に備わり、ピッチング内容は常に安定している。好調時には1試合を通して大方のストレートが150キロを超えるほどである。

 著しい進化を遂げるエースの左腕から繰り出される剛速球から、今後も目が離せない。