近藤一樹が緊急事態を救った。6月30日の阪神戦[甲子園]の9回二死二、三塁。カウント2-2から守護神の秋吉亮が右肩痛を訴えて交代。急きょの登板にブルペンで「キャッチボールを4球くらいしただけ」というベテラン右腕は、1球目のスライダーで空振り三振を奪った。

 東京・日大三高時代に夏の甲子園大会を制している33歳。1球でのセーブと奪三振という珍記録も付いた。特にセーブはプロ16年目で初めてだった。

「肩を作るのは早いほうではありません。マウンドでの投球練習で、変化球はストライクが入っていなかった。打者にもストレート一本で待たれていると思いましたが、捕手の西田がいいリードをしてくれました」

 投球練習の内容にかかわらずスライダーのサインを出すことを決めていたという西田は「急な登板だったけど、近藤さんなら、きっちり投げてくれるだろうと信じていた」。真中監督は「近藤はよく頑張った。急きょの登板で、しびれる場面。落ち着いて投げていた」と評価した。

 近藤は昨シーズン途中、オリックスからトレードでヤクルトへ移籍。今季は貴重な中継ぎとして奮闘している。阪神戦のスクランブル登板で白星に貢献したが、「ヤクルトにとっては秋吉が締めるのが当たり前。だから、秋吉のことを思うとセーブもあまりめでたくない。僕は今日だけです」と 謙虚に振り返った。これからもチームのために身を粉にして投げる。