ファームで腕を磨き、昇格の声を待つ高橋

 背番号3のユニフォームは、ナゴヤ球場には似合わない。バットの芯に当たった打球の勢いを見れば、すぐにうなずける。7月17日のウエスタン・リーグの広島戦(ナゴヤ)。高橋周平が、炎天下のダイヤモンドを回る。2回に142キロの直球をとらえ、ライナーで放り込んだ左越え2ラン。それが、後半戦への号砲だ。

「会心の打球でした。狙っていたわけじゃないけど、うまく打てました」。1カ月ぶりの感触となる3号に納得の表情。1回には左翼線への適時二塁打も放ち、球宴明けを滑り出した。「今はタイミングが遅れないように打席に入っています。この調子を続けていかないと」。一軍首脳陣から声がかかる日を、今かと待つ。

 将来の主砲候補も、常に勝負の年と掲げて6年目。周囲からのため息をかき消すべく、オフは大島洋平の自主トレに参加し、連日8時間以上汗を流した。春季キャンプでは、飛躍を予感させる弾道を連発。ゲレーロとの三塁争いに真っ向から挑み、森繁和監督も「今のままずっといけばレギュラーも取れるでしょう」と目を細めていた。

 だが、ふたを開けてみれば開幕二軍。「悔しかったけど、現実は受け止めないと」。小笠原道大二軍監督らの指導を受けながら、スイングする日々。5月に今季初昇格したが、ろくに快音も放てずに2週間で降格した。

「また頑張ります」。短い言葉に悔しさを込めてから、2カ月。熱い夏になる予感は、確かに漂い始めている。

写真=BBM