7月まで負けなしの快投を続け、セ・リーグ首位のチームに貢献する大瀬良

 大瀬良大地にしか背負えないものを背負って、負けない投球を続ける。背中に着ける14番は広島では伝説的な背番号だ。「炎のストッパー」と呼ばれた故・津田恒実氏が背負っていた番号。大瀬良はその重責から目をそらすことなく、自分なりに向かい合ってきた。毎年シーズンの報告に、山口県周南市の墓石まで足を運ぶ。2017年シーズンもオールスター休み中に訪れ、手を合わせた。

 津田氏は「弱気は最大の敵」と自らに言い聞かせ、うなる直球で相手を圧倒した。大瀬良は自身のインスタグラムに「今日のお前は、お前らしく強気に投げられたかい? 登板後にはいつも、そう問いかけられているように感じます」とつづったことがある。心優しき右腕は、優しさが邪魔になる世界で、それでも自分を貫く。

 津田氏の命日は7月20日。毎年大切にしている季節だ。26日の巨人戦(京セラドーム)では立ち上がりから抜群だった。ボールから入ることはほとんどなく、初球でストライクを取った。「スライダーでカウントを取れた。真っすぐでも押し込めました」。失点した7回までピンチすら作らず、強気に自分らしく腕を振った。17年は7月31日現在で無傷の7勝0敗。

「この季節になると、何とかいい投球をしたいと思っている。多少なりともできたので。続けていくこと。本当に巡り合わせもありますが、8連勝にできるように」

 大瀬良は投げる。「津田さんと、大瀬良の背番号」と呼ばれる日を目指して。

写真=BBM